先日他社で働く知人から、日本人の同僚が厚生年金を引き出せる年齢(現在57歳)に達したため、満を持して辞表を出したという話を聞きました。その人は完全に引退ではなく、帰国して日本で仕事をするのだそうです(専門職)。57歳で転職先が見つかるというのはすごいですね。
イギリス在住というステータスでないと、25%まで無税の年金基金からの引き出しができないのだそうです。厚生年金受給可能年齢まで数年となった私も、改めて出口戦略を考えました。つまりは、年金の取り崩し方です。
私の年齢だと厚生年金基金にアクセスできるのは同じく57歳からです。国民年金は67歳から支給なので、57歳で引退した場合、10年は年金基金やその他の資産から取り崩して生活費その他に充てます。57歳まで仕事があると仮定し、それ以降は完全に辞めるのか、パートタイムで働くのか、その時の気力体力によるので、今は分かりません。
57歳時点で年金基金 £500,000、67歳からState Pension受給開始、そして「57歳以降もパート勤務の可能性あり」という前提で試算してみましょう。なお、税率や年金制度は今後変わる可能性があるため、あくまで現行制度ベースの考え方です。
前提
- 年金ポット:£500,000
- 25%無税枠:£125,000
- 57~66歳:10年間
- 67歳からState Pension受給開始
プランA:MPAA(年間追加積み立て限度£10,000)回避重視プラン
毎年 £12,500 の無税部分のみ受取
- 毎年 £50,000 を crystallise(引き落とし可能と設定)
- £12,500 を受取
- £37,500 は drawdownで運用継続
10年間継続すると
- 無税受取総額 £125,000
- 25%無税枠をちょうど使い切る
メリット
- MPAAを発動しない可能性が高い
- パート勤務を継続可能
- 会社拠出も継続可能
- 年金残高を長く運用できる
デメリット
- 生活費としては物足りない場合がある
- ISAや貯蓄の併用が必要
向いている人
- 57歳以降も働く可能性が高い
- Salary sacrificeを続けたい
プランB:税効率重視プラン
毎年 £50,000 引き出す
内訳
- £12,500 無税
- £37,500 課税対象
他に所得が少なければ、
- Personal Allowanceを活用
- 多くが20%税率帯に収まる
メリット
- 税率を抑えられる
- 生活費を年金から賄える
デメリット
- 課税所得を受け取るのでMPAA発動
- 将来の年金積立余地が減る
向いている人
- 57歳でほぼ完全リタイア
- 今後の年金積立を重視しない
プランC:バランス型
57~62歳
- パート収入 £20,000前後
- 年金から無税部分 £12,500のみ受取
63~66歳
- パート勤務縮小
- 年金から年間 £40,000~£50,000受取
67歳以降
- State Pension開始
- 年金引出額減額
メリット
- MPAA発動を先送りできる
- 年金資産を長く成長させられる
- 税金も比較的少ない
プランD:遺産・長寿対策重視
57~66歳
- 年間 £20,000~£30,000程度のみ引出
- 不足分はISAや現預金利用
メリット
- 年金資産が残りやすい
- 相続上は年金は非常に有利
デメリット
- 手元資金が他に必要
向いている人
- 子供や配偶者への資産承継を重視
- ISAや現金資産が豊富
私ならどうするか
- 57歳で £500,000
- パート勤務の可能性あり
- 67歳からState Pension
- ISAも保有
57~62歳はプランAまたはC
- 年 £10,000~15,000 の無税受取
- MPAA回避
- 会社拠出継続
63~66歳は必要に応じて課税部分も引出
私の場合、ISAや投資もあるので、年金は「最後まで税優遇を活かす資産」として温存し、まず無税部分を活用する戦略が比較的相性が良さそうです。

