ロンドン中心部の住宅価格が大幅に下落しているようです。スタンダード紙に掲載されていた記事の最新の市場データによりますと、ウェストミンスターでは平均住宅価格が前年から約25%下落し、約114万ポンドから85万ポンドへと約29万ポンドの値下がりとなりました。下落幅は近年で最大級であり、ロンドンの不動産市場に深刻な冷え込みが広がっています。
この背景には、労働党政権が導入を予定している「マンションタックス」があります。これは200万ポンド以上の高額住宅に追加課税を行う新税で、ロンドンの高額物件が主な対象となります。発表後、富裕層や投資家の間で警戒感が強まり、高額物件の取引が急速に減少しています。政府は富裕層への課税強化を進める姿勢を示しており、これが市場心理をさらに冷え込ませている状況です。
価格下落は中心部にとどまらず、ロンドン郊外にも波及しています。 記事では以下の地域で顕著な下落が確認されています。
- ケンジントン&チェルシー:−14.7%
- ハマースミス&フラム:−13.3%
- タワーハムレッツ:−13.1%
- イズリントン:−8.1%
- カムデン:−7.1%
- ワンズワース:−5.2%
中心部ほどの急落ではないものの、高額物件の価格下落が周辺エリアの相場にも連動して影響しています。また、政府がホワイトホールの一部機能をマンチェスターへ移転する方針を示したことも、ロンドン全体の住宅需要を弱める要因となっています。
その結果、ロンドンの住宅価格は10か月連続で下落しており、都市全体が構造的な調整局面に入ったとの見方が強まっています。
住宅価格が下落する一方で、家賃は上昇しています。 記事によりますと、ロンドンの賃貸需要は依然として高く、住宅購入を控える層が賃貸市場へ流入していることが家賃上昇の一因となっています。供給不足も重なり、賃貸市場は売買市場とは対照的に逼迫した状態が続いています。
まぁ今までが高すぎて、普通に会社勤めをしているイギリス人には中心部のアパートメントも郊外の住宅もすでに手が届かないものになっていたので、多少の調整局面は必要でしょう(調整後でもほとんどの人には買えませんが…)。
ここまで顕著ではないものの、東京でも不動産価格が住宅ローン利息増加などの要因で頭打ちになり、住宅価格が横ばいになっているようです。影響が遅れて出る賃貸の家賃はまだ上昇しているそうで、大都市は金利上昇により似たような状況になっていますね。
イギリスは来年の7月までに4回の利上げがあるという見方もあり、今後の住宅価格下落に拍車がかかりそうです。

