そして、ほとんど11月だというのに気温は24~27度。やっぱり暖かいです。
街を歩いていて面白かったのが、ヨーロッパに比べて小柄な人が多いこと。背が低い私は、普段ヨーロッパで感じる身長への劣等感を一時的に忘れることができました。
暑いわりにノースリーブの女性は意外と少なく、帽子をかぶっている人もあまり見かけません。その代わり、マスクをしている人はかなり多い印象でした。
「買い物しよう、香港!」のはずが……
私の頭の中ではいまだに「買い物しよう、香港!」(←少年アシベの歌)が流れるのですが、肝心の自分にすっかり物欲がなくなっており、せっかくの機会を享受できませんでした。
今回は丸一日かけて九龍を歩き回り、もう一日は香港島をウロウロ。
驚くのは、とにかく日本のお店が多いことです。日本のものなら、ほとんど何でも手に入るのではないかと思うほどです。
滞在中、何人かの香港の人たちと話をしましたが、皆さん本当に日本が大好き。
30代の香港人の一人は、年に5回ほど日本へ行くと言っていました。別の中年のご夫婦も毎年日本へ旅行しているとのこと。
これは香港に限りませんが、ここ10年ほど、世界のどこへ行っても「日本人です」と言うと、とても喜んでもらえることが増えた気がします。
今回話した香港の人たちも、自分がどれほど日本を愛しているかを、こちらが少し面食らうほど熱心に説明してくれました。
もちろん嬉しいです。でも同時に、「日本って、皆さんが思っているほど素晴らしい国かしら?」と、日本を離れて暮らしている身としては少し複雑な気持ちにもなります。
香港からイギリスへ移住してきた人は、私の職場にもいます。隣の部署だけでも3人在籍していて、そのうちの一人は最近「香港に帰りたいかも」と話しています。
私自身も希望すれば香港勤務という選択肢はあると思いますし、今回久しぶりに訪れて、生活する場所としての便利さやエネルギーには魅力を感じました。
ただ、暑い気候があまり得意ではない私には、この暖かさが一年の多くを占めると思うと、ちょっと考えてしまいます。
滞在中、一度だけ中華料理以外のレストランに入りました。そこのウェイターの英語が明らかにイギリスのアクセントだったので、思わず話しかけてみると、ウィンブルドン出身とのこと。すでに16年も香港で暮らしているそうです。彼は、「イギリスは残念な国になってしまった。もう帰る予定はない」と言っていました。
香港からイギリスへ移り住む人がいる一方で、イギリスから香港へ来て、もう帰りたくないという人もいる。
そして香港の人たちは、日本が大好きだと言う。
どの国に住んでいても、自分の国には不満があり、よその国は少し良く見えるものなのかもしれません。
20年ぶりの香港。昔感じた「混沌」はずいぶん薄れ、街はきれいに、便利に、洗練されていました。それでも香港らしい勢いとエネルギーは健在でした。
夫にとっては25年ぶり、私にとっては20年ぶり。昔の香港をぼんやり覚えているからこそ、その変化が面白かった今回の滞在でした。

