<英>アパート売却の失敗率41%、理由は?

イギリスではフラット(アパート)売却の際、約4割が成立に至りません。2025年4~6月のデータでは、契約成立件数の41%が破談となり、近年で最も高い水準となりました。2024年通年では29%が契約成立前に破談となりました。パンデミック以前は20%だったので、これが4割に増えた背景は何でしょうか。

特に集合住宅(フラット)の場合、破談率は戸建てよりも高くなります。イギリスの不動産取引における構造的な問題があります。借地権(リース)契約の複雑さ、管理会社の問題、また調査後に見つかる各種不具合に続く値引き交渉決裂などが主な原因です。売買不成立の要因を頻度順にみていきましょう。

①調査結果に基づく価格再交渉(27%)

買いたい不動産にオファーを出し売り主が合意した場合、買い手はすぐに調査会社に依頼して欠陥がないか確認します。これは住宅ローンの条件になっていることもあります。特に屋根、湿気、外壁、防火対策、修繕義務の点で不足が見つかった場合、価格の交渉理由になります。

②買い手の心変わりによる契約取りやめ(24%程度)

手続き中に他に買いたい物件が見つかったり、失職したり、そもそも購入力が足りなかったり、といった様々理由でオファー取り下げがあり得ます。

③住宅ローン問題

今年はこれが急増すると思われますが、仮承認されていた住宅ローンが金融機関から取消や減額されてあきらめざるを得なくなったり、急激な金利上昇が予想される場合などです。2025年第2四半期には、これが①の調査結果による不成立を上回りました。

④売主がより良いオファーを受け入れる(15%)

あまり聞いたことが無いですが、売り主側の心変わりもありえます。手続き中に仕事が変わったり、需要が急増するなどです。

⑤チェーン(鎖)が崩壊(18%)

これは本当に良く起こります。買い手が見つかり、買いたい家を見つけてオファーしても、売る方が何らかの原因で不成立の場合、買いも当然ながら不成立になります。チェーンが長いほどリスキーです。

⑥法的手続きの遅延(9%)

マンションの管理会社に連絡が取れなかったり、重要書類の紛失、不動産エージェントの対応の遅さなどが原因です。

これらのあらゆるハードルを乗り越える必要があり、本当に気が遠くなります。なぜイギリスで特に難しいのかというと、契約完了までの期間が約5か月と長く、その間に買い手や売り手の事情が変わってしまうことが良くあります。また、契約締結(エクスチェンジと言います)まではどちらもいつでも撤退することができ、一切コミットが不要なのです。買い手は不動産会社の限定的な情報をもとに手続きを進めますが、その途中に重大な欠陥が見つかることもあります。

途中で破棄された場合も、それまでにかかった弁護士費用や調査費用などはサンクコストですので、泣く泣くあきらめざるを得ません。気が遠くなるほど長く、辛いプロセスなのです。

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