義父が急逝し、家族(主に長男である夫)が各種手続きに奔走していることは書きました。遺言の存在が明らかになり、作成した弁護士も見つかりました。あとは死亡証明書を送れば遺言が遺族に公開される見込みです。
検死の結果が出るのに3週間以上かかりましたが、極めて一般的な死因でした。結果が出たからといってすぐに死亡証明書が発行されるわけではなく、そこからさらに数日かかります。その証明書ができたという連絡が来たら市役所に受け取りに行きます(1通11ポンド)。それが完了して初めて、財産(まとめてエステートと呼ぶ)を清算する弁護士を決め、故人の不動産など資産を売却・現金化し、その資金で納税をし、借入金を返済します。残金があれば遺言通りに相続人に分配されます。
遺言が無い場合は、イギリスでは現在、以下のように遺産分配されます。配偶者がまず£270k(約4,500万円)うけとり、残ったらその半分を配偶者が、半分は子どもたちに均等に分配されます。
イギリスの2022年度の相続税控除額が£325k(5,400万円)です。それを超えた金額が全額配偶者やチャリティなどに渡される場合は無税です。不動産を子どもや孫の名義にする場合はこの控除が£500kになります。そして、相続税率は40%です。他にも細かい規則がありますが、ざっくりとしたところはこんな感じです。
今回のことで、遺言の大切さを改めて認識しました。遺言が特に重要なのは、遺産を残したい家族・人などが複数いる人、財産構成が複雑な人だと思います。遺言が無ければ上記の法定の規則に従って財産分与されます。
私の家族構成はシンプルで、私が先に死んだら私の財産は全額夫が受け取ることになり、それでいいと思っているので遺言は不要です。ただ、急死した時の連絡先(知人や親せきや勤め先など)と財産リストは紙に残しておくべきだと思います。尚、夫は義妹と姪に財産を残すよう、その旨を書いた遺言を作成済みだそうです。私は夫の財産目当てで結婚したわけではないので、夫の財産は夫が希望する人に渡ればいいと思います(私にも少しは分け前があるのかしら?)。我が家は夫婦完全別家計ですので、私は夫婦どちらが生き残っても死ぬまで生活できる財産を準備していますし、夫も当然そうしているはずです。夫が先に死んだら、私も遺言を書きます。
大事なのは、遺言が保管されている場所や保管している弁護士の連絡先を家族に伝えておくことです。これを家族が知らないと、遺言を書く意味がありませんね。