日本は総選挙の話題でもちきりのようですね。日本でも高額所得者への課税が増えるという議論があり、ここ英国ではどうなっているかを書きます。
先日テレグラフ紙の記事に、「もっと頑張る意味がない:パートタイム労働者の台頭」というものがありました。何百万人の人が、より一生懸命働くことで罰を受けると感じているという趣旨です。
ここで紹介されていた心臓外科医(現在は引退)は、以前は勤務時間を減らすのは当たり前ではなかった、とコメントしていました。彼の子ども2人も医師になりましたが、それぞれ週4日と週3日という働き方をしているそうです。その理由は、育児の負担と税金の高さとのこと。
最近決まった法案では、個人年金基金に貯めた資金も相続税の対象になります。稼いで貯めれば貯めるほど課税されるので、必死で働くのは無駄、その分の時間を家族や娯楽に使おうという考えなのだそうです。
社会全体で見ると、高所得者は通常能力が高い場合が多いので、税金をセーブするためにパートタイムに移行するのは損失でしょう。英国全体では、平均労働時間が20世紀初頭と比べて週2.3時間短縮したそうです。フルタイム労働者170万人分の労働力が失われている計算です。労働時間が一番短縮しているのは上位10%の高所得者層です。また、パートタイム勤務をする男性は7%から14%に増加しています。
以前の記事に書きましたが、英国からミリオネアが大量に流出していて、これは高額所得者の税負担が大きいからだと分析されています。低所得者の味方の現労働党政権は慌てて一部の制度を見直すことにしましたが、彼らが戻ってくるとは考えにくいです。
日本でいうところの1億円の壁に相当するのは、英国では年収£100,000~£125,140(2,100~2,650万円相当)で、実効限界税率は実質60%になります。この仕組みは詳しくは書きませんが、個人控除が消滅するなどが理由です。日本で1億円稼ぐよりも到達しやすく、この水準を超えると損をするという共通認識があるため、英国の労働者の勤労意欲はダダ下がりなのです。
話は変わりますが、英国の前税務年度の確定申告期限は1月31日です。今月は税理士とのやり取りを繰り返し、無事申告を終えました。晴れ晴れした気分です!

