今朝のBBCの記事によると、パンデミック以降、英国の月々の家賃は270ポンド(約52,000円)上昇しているそうです。英国で賃貸物件を探す際に最もよく利用される不動産サイトはRightmoveとZooplaという2つですが、今回のデータはZooplaの調査によるものです。
家賃が急上昇し始めたのはロックダウン後の2021年です。高い需要に対して供給が少なく、家賃はどんどん上がっていきました。この3年間で平均賃金は19%上昇しましたが、家賃は平均で27%上昇し、家計への負担が年間3,240ポンド(約63万円)増加しました。厳しいですね…。
上昇率が緩やかになってきているのが、せめてもの救いではあります(直近は前年同月比3.9%)。賃貸市場は一時期のすさまじい競争から落ち着いてきていると報じられています。とはいえ、供給不足の状況が改善されたわけではなく、需要もパンデミック前に比べて3分の1高いままです。主要都市とその近郊に需要が集まっていますが、ロンドンでは昨年比1.3%上昇にとどまっています。Zooplaは、賃貸物件の数が減る見込みから、来年は英国平均で4%の増加を予想しています。全米住宅大家協会(NRLA)によると、今後2年間に賃貸物件の売却を計画している大家の割合は31%です。高い住宅ローン金利や管理費、不利な税制など、大家業は割に合いませんからね…。
Zooplaによると、家賃は最も安い地域で最も収入が低い人たちが住んでいる物件が一番上昇しているようです。学生や低所得者が打撃を受けています。学生寮ならともかく、学生だから安く借りられるということもありませんからね。学生ローンの大部分が家賃の支払いに充てられているケースもあります。
賃貸物件を探す場合、時間的な余裕をもって活動を始め、複数の不動産屋に登録しておきましょう。そして賃貸契約で提出が必要な書類、つまり収入証明書、勤務先からのレター、現在の大家さんからのレターを前もって準備しておきましょう。さらに、家賃の予算を明確にし、もし数か月分の家賃を先払いすることで物件が確保できるなら、何か月分先払いできるかも計算しておきましょう。