今日のBBCの記事にありましたが、イギリスのアパートのサービスチャージ(管理費)が急騰しており、手に負えない状況になっているようです。
イギリスでフラットと呼ばれる集合住宅には土地所有者(Freeholder)がいて、そのフリーホルダーがアパートの管理を請け負い、フラットの所有者は管理費を払うのが一般的です。(もともと一軒家として建てられたものを分割してフラットにしたものは住人たちで火災保険を支払い、それをサービスチャージと呼ぶケースもありますが、ここでは大型の集合住宅について書きます。)フラットの所有者は不動産を売買するときにLeaseholdという権利を購入します。それ以外に、FreeholderにGround Rentという土地利用料を支払います。
この不思議な制度はイギリスの階級社会の名残りで、いい加減に廃止しようという動きがあり、政府も新しい法律を準備しているようです。この新法は来年後半に発表される予定です。
サービスチャージの高騰は特にロンドンでその傾向が顕著で、年間1万ポンド(194万円!)も払っている人がいるようです。5年間で320%上昇し、フラットを売りにだしても買い手からも嫌気され売れないのだそうです。ロンドンの平均年間サービスチャージは2,500ポンド(48万円ちょっと)だそうで、過去8年で52%上昇しています。私たちの所有するフラットのサービスチャージも、2年で20%増えました。フリーホルダーが選んだ管理会社は定期的に共用部分の掃除やガラス窓の洗浄、住宅保険の更新の手続きをします。
法外なサービスチャージを請求する管理会社に対する訴訟が増えていると報道されています。管理費上昇の要因はBrexitやパンデミックによる資材費に加え、火災保険料の増加も挙げられます。納得がいかない場合は、管理会社から明細を受け取り、妥当な請求額か確認してみましょう。「これ、おかしくないですか?」と問い合わせてサービスチャージの削減に成功したケースもあるようです。