オリンピックや株式市場乱高下のニュースに隠れて日本ではあまり報道されていませんが、イギリスでは現在暴動が多発しています。毎日違う街で人々が暴徒化して建物や車を壊しており、数百人が逮捕されたそうです。
今回の暴動のきっかけとなったのは、先週サウスポートというリバプール近郊の街で子どものダンス教室に闖入したルワンダから移住したティーンエイジャーが3人の女の子を刺殺した事件です。痛ましい事件で犯人はすぐに捕まりました。
その後、この容疑者がイスラム教徒の亡命希望者だというデマが流れて、イギリス各地で抗議行動の暴動が起こりました。一部は略奪や放火にまで発展していて、警察は必死で対処しています。
そして日曜日には、難民を一時的に収容しているホテルがターゲットになり、ホリデーインなどの外で暴動が起きました。これは極右勢力によるものだそうです。
物価上昇、手が届かない住宅、お粗末なインフラストラクチャー。どんどん貧困化するイギリス人(特に北部イギリスに多い)は怒りのはけ口を大量に押し寄せる移民に向けています。先週、日本領事館からも在英日本人に注意喚起のメールが来ました。
スターマー新首相はオリンピックどころではなく、この各地の暴動の鎮静化に右往左往しています。いくら暴徒を非難したところで、根本的な解決が無ければ収まりません。暴動は今日は北アイルランドにまで飛び火しました。移民が過半数のロンドンでは今のところデモンストレーションはあっても暴動は起こっていませんが、今後何かをきっかけに人々の不満が爆発する可能性は十分にあります。
暴動にまで発展していなくても、最近右傾化している欧州の他の国でも同様の動きがみられるようです。日本でも、外国人を支援する前に国民を優先して助けるべきだという声がありますね。日本と同様に、イギリスも今後国民の生活が改善する見込みが薄いという絶望感が漂っています。これから来る景気後退と相まって、治安が悪くなるのは心配です。