英国の経済は比較的堅調に推移していると言えるでしょう。最近のGDPは横ばいで雇用もやや膠着しているようですが、インフレが収まっていないため、政策金利は高水準で据え置かれています。利下げ観測が盛り上がってきたところで総選挙が決まったので、また数か月先延ばしとなりました。
金利はこれ以上にはならず徐々に低下する見通しですが、そうはいっても4%未満にはならないと考えられています。数年前に組んだ住宅ローンの安い固定金利の期間が終われば、高金利のローンに借り換えせざるを得ません。現在2年固定住宅ローンの平均金利は5.93%です。ローン残高が20万ポンドある場合、月々の支払額は848ポンドから1,280ポンドに増えてしまいます。増加幅をなるべく少なく抑えるためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、固定金利期間終了後にリモーゲージしなければ自動的にSVR(銀行が設定する貸し出し金利)に移行します。このSVRはとても高い(8%以上)ので、なんとしてもリモーゲージしましょう。
また、期間限定の魅力的な借り換えディールを見つけたら、すぐに申し込んで確保しましょう。最近収入が上がったり、物件の価値が上がったり、残高が低いほど条件のいいローンが借りられます。例えば、LTV(家の価値に対するローン残高)が76%の場合、ちょっと頑張って75%にすればもっと安いローンが見つかるのです。モーゲージブローカーがその人にとって一番いいローンを見つけてくれます。手数料はかかっても、長い目で見ればお得なことが多いです。
ローン借り換えしない場合は、残高をとにかく減らすために、なるべくたくさん繰り上げ返済しましょう。通常年10%までペナルティ無しで繰り上げ返済できます。当座貸越など他のローンがある場合、一番金利が高いローンから優先的に返済すべきです。
預金がある場合、オフセットモーゲージを利用する方法もあります。これは、銀行預金に資金を保持し、その分ローン残高を減らすことになり、支払利息やローン年限を減らすことが出来ます。預金の方の受取利息は付かない代わりに、預金にはアクセスできます。これがお得かどうかは、その時の金利環境や借り手のステータスによって変わります。
どうしても支払いが苦しいときは、ローン年限を延長する方法もあります。どのくらい延ばせるかは借り手の年齢やローン提供金融機関によります。トータルで支払う利息は多くなることを認識しておく必要があります。学費がかかる期間などに検討してみる価値はあります。
物件を売却して小さい家に引越すか、物件が安い場所に買い直すのも選択肢の一つです。今の家を売ったらローンと相殺していくら手元に残るか計算します。不動産の売買にかかる各種コストや遠くに住むことで増える通勤費もよく考慮して決めましょう。
私の階下のフラットの所有者は、住宅ローンが払えなくなり物件を売りに出しています。そこがいくらで売れるかが私たちの物件の価値の参考になりますし、どんな隣人が引っ越してくるか、興味深く見守っています。