保守党と労働党のマニフェスト比較1

7月4日に約5年ぶりの総選挙がある英国ですが、今回政権を奪還することが確実視される労働党のマニフェストが昨日発表されました。前の記事で書きましたが、争点は税金、移民、医療、教育などです。

先ずは国民の一番の関心、税金についてです。労働党は2028~2029年までに、私立学校、海外不動産投資家、非居住者への課税を強化することによる860万ポンドの税収増を公約しました。石油・エネルギー企業への増税により、年間12億ポンドの税収増を見込んでいます。国民に対しては、国民保険、所得税、付加価値税は据え置くことを約束しています。対する保守党は、国民保険をさらに2%削減し、自営業者に対する国民保険料徴収を廃止するほか、初めて購入する住宅が42万5千ポンド以下の人には印紙税を廃止するなどの減税案を公約しています。どちらも、一国民の私にはほとんどインパクトはなさそうです。

次は、移民政策です。労働党は、雇用法に違反する雇用主が海外労働者を採用することを禁止し、純移民数を減らすことを約束しました。現在のヴィザ方針を改革し、技能不足に対処するために、現在移民に依存している部門で英国人労働者のスキルを向上させることを約束しました。一方保守党は、ヴィザの年間上限を導入し、移民数について毎年議会で決めることを公約。熟練労働者の給与をインフレに合わせて引き上げることも約束しています。小型ボートで来る移民は、労働党は国境警備を強化することで対応、保守党はルワンダ計画でアフリカに送り返すことを公約しています。

国民健康サービス(NHS)について。労働党は、NHSの待機リストを削減し、緊急でない場合は患者の待ち時間を18週間以内にすると公約しています。診療時間を延長することで毎週4万件の追加予約が出来るそうです。また、医師を数千人増やすことと、予約システムを見直すことを約束しています。さらに、緊急歯科予約を年間70万件増やす計画です。対する保守党は、次の議会終了までに看護師を92,000人、医師を28,000人増やすことを公約しています。また、歯科診療を250万件増やすこと、毎年のNHSへの拠出金を増額することを約束しています。同党は、NHSの生産性を高め、薬局で一部の医療を受けられるようにする計画です。

長すぎるので、続きは明日書きます。

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