昨日、英国の一部の大手銀行が住宅ローン金利を引き上げることを発表しました。物価上昇率の減少が緩やかになり、イングランド銀行の利下げ期待が後退したためです。今回住宅ローン固定金利を引き上げるのは、バークレイズ、HSBC、ナットウェストの3行です。引き上げ幅は0.1~0.41%ですが、ローン残高が大きい場合は影響も無視できません。
米国のFRBの動向に似て、当初6月ごろと見込まれていた利下げのタイミングが後ずれし、年内の利下げ回数も予想を下回りそうです。
金融情報サービスのMoneyfactによると、現在住宅ローンの2年固定金利の平均は5.82%、5年固定金利の平均は5.40%だそうです。一時期よりはマシになったとはいえ、高止まりしていますね…。尚、現在の政策金利は5.25%です。
一方、インフレーションは年率3.2%と目標の2%にはまだ遠く、圧力を受けつつも中央銀行は利下げを躊躇しています。
先週は米国株につられて下落しましたが、FTSE100株価指数は昨日、終値で史上最高値をつけました。中東情勢の緩和が要因とみられています。ポンドの対ドル相場が弱含みというのも英国の株式市場が絶好調な理由の一つです。ポンドは対円ではもちろんとても強いですが。景気は順調に回復しており、今後株価上昇が見込まれるセクターは小売のようです。
今のところ欧州中央銀行ECBが一番先に利下げに踏み切ると見られていて、マーケットコンセンサスは6月で変わっていません。この利下げのタイミング(順番)が、今後のユーロ、ドル、ポンドの為替に大いに影響しそうです。