老後に必要なお金、増加(英国)

イギリスでは昨今の物価上昇により、生活に必要な資金が大幅に増加していると報道されています。年金団体(PLSA)の試算によると、退職後に標準的な生活水準を享受するための年間コストは過去1年で8,000ポンド増加したそうです。

単身者で中程度の生活水準に必要な金額は現時点で31,300ポンドで、前年の23,300ポンドから急上昇しました。増加の要因は、食料や光熱費といった生活必需品の価格が上昇していることによるものと、退職後のライフスタイルに対する期待が高まっていることです。

「中程度」の年金の受給を希望する夫婦は年間43,100ポンドが必要になり、昨年度の34,000ポンドからこれもエグいスピードで上昇。

中程度の具体的な想定では、夫婦で食費週100ポンド、外食に週60ポンド、小型の中古車を保有し、欧州で1週間の休暇、イギリスで1週間未満の週末休暇を取るライフスタイルです。

もうすこし贅沢な場合だと、定期的な美容トリートメント、観劇旅行、欧州での2週間の旅行などとなり、単身で年間43,100ポンド、夫婦で59,000ポンド必要だそうです。

なお、国民年金は物価上昇を反映し、4月から年間11,500ポンド支給されます。これは昨年比8.5%上昇しました。以前の記事にも書きましたが、国民年金は働いて年金を納めた年数に比例し、現役時代の収入に関係なく平等にもらえます。普通のライフスタイルにすら圧倒的に不足するので、別途貯蓄か個人年金が必要になりますね。

老後の資金を「貯める」こと以上に重要なのは、金融・経済の知識を身に着けて資金をなるべく減らさないこと、そしてその時々のリスク許容度に合わせてリスクを取って増やそうとしてみることだと思います。このことに人生の早い段階で気づけば、将来はさほど心配しなくてすみそうです。やっと目標額達成~と思っても、ゴールがさらに先に設定し直されては退職を延ばさなけばなりませんからね。

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