イギリスの大手不動産エージェントが住宅価格の中期的見通しをそれぞれ出していますが、大体似通っています。コンセンサスでは、今後しばらくは下落を続け、その後は2027年まで緩やかな上昇になるということです。
こういった見通しは予想通りにいかないことも多いので、あまりピンポイントに計画すると当てが外れて買いそびれてしまったり、買った後に価格が下がってしまうということもあります。
OBR(国家予算局)によると、住宅用不動産価格が底を打つのは2024年10~12月。2023年は0.9%の上昇、2024年は4.7%下落、その後2027年上半期には過去最高を付けた2022年後半の水準まで戻るとの予想です。ということは、来年の年末くらいに購入するのが一番お得かもしれません。
来年家の価格が下がるのは、住宅ローン金利が高止まりするのが要因です。ローン金利はピークからやや下がったとはいえ、現在5.25%の政策金利の利下げは来年夏以降とみられており、現状の6%越えのローン金利が住宅価格を下押ししています。購入したいと考えている人も、一旦保留にして金利が下がるのを待ちます。尚、現時点での2025年平均住宅ローン金利は5%と予想されています。
とはいえ、住宅というのは一点ものですから、ちょうどいいタイミングに欲しい家が売りに出ないこともあり得ますし、購入時期をはかるのは難しいものです。ただ、来年中に価格が上がってしまう可能性は高くないので、準備ができている人は来年買えばそれほど失敗しないでしょう。それより、購入を1年待っている間賃貸物件に住む場合、その間の家賃で値下がり分が消えてしまうかも知れません。例えば10年以上そこに住むつもりで買うなら、数か月の購入タイミングは長い目で見ればそれほど差が出ないでしょう。
2023年6月までの1年間の移民純増数は672,000人でした(ブレグジットで減るんじゃなかったの?)。これだけの人が住む場所が新たに必要になることを考えると、一時的に5%下落するとしても、長い目で見れば英国の住宅市場は底堅く推移することでしょう。
(注)数値は新聞iの記事を参考にしました。