いつリタイアするのか問題 ~出口戦略

先日同年代の友人Aと、何歳でリタイアするかという話になりました。イギリスの平均退職年齢は男性65歳、女性64歳です。日本は(データによって違いますが)、男性68歳、女性67歳のようです。健康で元気だったら働いてもいいですが、67歳で自分も雇用主も満足するパフォーマンスが出せるかは自信がありません。

私の現在のプランは、55歳からパートタイム勤務に移行して、60歳でフルリタイアです。社会とのつながりは人生の充実に必要という考えなので、ストレスが少ない仕事をほそぼそとしていきたいと思っています。

別の友人Bは50代になってから75歳完済予定のローンを組んで初めて家を買ったのですが、予想以上にメンテナンスの費用がかかり、老後の貯蓄どころか日々の生活が自転車操業になっているそうです。先の友人Aとは、「55歳でフルリタイアできる状態にしておくのが理想的」で同意しました。それまでに住宅ローンを払い終えて、貯蓄もそこそこしておくということです。働かないと生きていかれない状態ではなく、仕事はオプション(趣味)という状況にするのです。

50代で数十万ポンドのローンを組むのは、私なら精神的にかなりの重荷です。更年期以降、体力だけでなく気力も衰えていて新しい仕事を覚える集中力も減っていますし、体調を崩したら回復するのに時間がかかります。

先日ガーディアン紙に、昨今の高金利でリタイア間近の人たちの資産が2割目減りしているという記事がありました。住宅価値は下落、年金基金のファンド価値も下落、一方インフレーションで支出は上昇しています。

また先日のエクスプレス紙では、50歳以上の人は現在の支出を削ってでも年金基金に入れる資金を増やすべき、という記事がありました。同紙によると、45歳から54歳の6割近くの人が、年金基金の積み立て額を増やしているそうです。この年代の人は普通の生活水準の老後を送るためには、平均して16万ポンド年金基金が不足しているというデータがあります。アンケート回答者の4割以上は、外食やクリスマスの出費を減らすことを検討しているということでした。小さい家に住みかえたり、副業を始める人もいるようです。

こういう危機感を持って準備を始める人はいいほうで、多くの人は退職してから国民年金だけでは生活資金が足りないことに気づくのです。老後に生き方のオプションを持つためには、収支が厳しく万年金欠の若いうちから、ひねり出してでも投資や貯蓄を始めることが大事ですね。

本日のガーディアン紙に興味深い記事が出ていました。人々が仕事をやめるかどうかを決める重要な要素は富であり、英国における早期退職はますます裕福な人々の権利になりつつあることを研究データが示しているようです。自分で退職のタイミングを決めたいものですね。

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