住宅ローン返済額増加の乗り越え方

先週、英国中央銀行(BOE)が14回目の利上げをし、英国の政策金利は5.25%になりました。住宅ローン2年固定金利は6.8%程度に上がりました。

i(新聞)によると、ごく平均的な住宅ローン(借入金£200,000、25年ローン、頭金5%)の場合、月々の返済額は約£1,224になります。これが厳しい時に考えられる選択肢がいくつかあります。どれも一時的に凌ぐだけで根本的な解決ではありませんが、家の差し押さえを延期したい時の時間稼ぎにはなります。

一番現実的なのは、ローン提供会社(銀行など)に返済期間を延長してもらうことです。これは6か月まで無条件で受け入れてもらえ、その後元の条件に戻るか決められます。この制度を利用して35年以上のローンに切り替えた人は過去数年間で2倍以上になりました。月々の返済金額はもちろん減りますが、上記の20万ポンドのローンでいうと、10年延長することで総返済額は£90,000増加します。それだけでなく、完済まで時間が延びるので、老後の資金形成に圧倒的に不利になることを覚悟しなければなりません。数年後にまた条件が改善したら借り換えればいいので、若い人向けのオプションです。80歳まで返済する住宅ローンもありますが、現役のうちに支払い終わるようにしたいものです。

イギリスらしいコテージ

また、現在Repaymentモーゲージを利用している人は、6か月だけInterest Onlyモーゲージに変更可能です。これは英国政府が住宅ローン提供者と合意しており、ほぼどのローン会社でも対応するそうです。利息だけ支払うということは、その間元本の支払いを先延ばしにするということですので、その分トータルで将来返済する金額は増加します。

預金金利も当然上がってはいますがせいぜい4~5%程度ですので、まとまった貯金がある人でローン金利のほうが高い人は返済に使ったほうがいいです。似たオプションとして、オフセットモーゲージという方法もあります。これは、残高の一部をローン会社の預金口座(利息は非課税)に入れ、その分ローン残高から差し引いた金額にのみ金利がかかる仕組みです。すべてのローン提供会社が応じられるわけではなく、課される金利も通常の住宅ローンより高い場合が多いので、預金金利の控除枠を利用する高額納税者向けの選択肢です。

他には住居をダウンサイズすることも現実的な選択肢になります。住宅価格が下落しているときはそうでないときに比べ、価値が高い家を売って低い家を買うダウンサイジングは損ですが、住宅価格が上がるのを待っていられない場合はいいオプションです。ただし、家の売買には数か月の時間がかかり、購入者が躊躇している現在、売却は簡単ではないです。

空き部屋がある場合は、部屋単位で貸すこともできます。駐車スペースや地下室や天井裏なども需要があるそうです。

ローン借り手が55歳以上の場合エクイティリリースがありますが、これは非常に割高なのでできれば手を出したくない選択肢です。やむを得ず利用する場合は、将来どうなるかをしっかりと認識しておきましょう。

タイトルとURLをコピーしました