義両親のエクイティ・リリースから得た教訓 2

(続き)

エクイティ・リリースが利用できるのは55歳からなので、55歳未満の場合は住宅ローンの借り換えをモーゲージブローカーに相談したり、フィナンシャルアドバイザーに相談しましょう。住宅ローンの返済年齢の上限は引き上げられる傾向にあり、知人は73歳で完済予定のローンを組んでいるそうです。

エクイティ・リリースを利用してお金を借りた場合の支払金利ですが、2023年1月31日時点で6~8.5%程度で、普通の住宅ローンよりかなり割高です。ただ、金利が低ければ低いほど良いというものでもないらしく、他の手数料(弁護士、調査、アレンジメント、評価)が高かったりするので、よく比較検討して自分に合ったものを選ぶようにしましょう。返済しなければ、昨日書いたように利息がどんどん膨れ上がることを忘れずに。

非常に割高なローンであることをしっかりと覚悟したうえで利用する場合は、普通のファイナンシャルアドバイザーやモーゲージブローカーではなく、資格があるエクイティリリースアドバイザーに相談したうえで、最低限必要な金額だけを借りましょう。ローン貸し手の金融機関、弁護士、ファイナンシャルアドバイザーもこちらのウェブサイトに載っている人・組織から選んでください。

義父がエクイティ・リリースを利用していたことが死後発覚しました。義両親は小さいフラット(アパート)への住み替えでそれなりの現金を手にしましたが、買い物依存症だったためあっという間に使い果たしました。年金だけでは暮らせないというので、私たち夫婦が毎月数十万円相当の生活費を援助していましたが、どう見てもそれを超えるお金の使い方をしていました。私たち夫婦や義妹や姪に、不要なものをたくさん買ってくれましたが、好みでない衣服などそのままチャリティショップ行きになりました。今思うと、あの羽振りの良さはエクイティ・リリースを打ち出の小づちのように感じて、次々とお金を借りていたのです。5年ほど前に現金で買ったはずのフラットは、いつの間にか千数百万円相当の借金の担保になっていて、年間1万ポンド弱の利息が残高に加算されていました。

遺産相続手続きをするためには、6か月以内に不動産を売却しなければならず、それを遺産管財人にゆだねると期限があるので市場価格よりかなり割安な売値になってしまいます。自分たちで納得がいく価格で売りたいということになり、義妹も貯金ゼロなので夫がそのローンを一括返済しました。

義父名義の不動産なので、彼自身がそこから必要な資金を取り出して使うこと自体に文句をつける気はありません。ただ、いくらの利息を払うことになっていたかなどよく認識していなかったと思いますので、後に子どもたちに残るお金は、彼が期待していたよりずっと少額になってしまうということです。

英国の政策金利は2月2日にさらに引き上げられる見込みですので、ローン残高がある人やこれから利用しようと考えている人は、将来払うことになる利息をよく理解し、なるべく早く返済しましょう。

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