友人は10年ほど前にロンドンに居住用の不動産を購入し、住宅ローンを払っているそうです。ローンを借りている金融機関から通知が来て、「あなたの月々の返済額は700ポンド(約11万2千円)増えます」と書いてあり、驚愕したそうです。その友人の住宅ローンは最近固定金利期間が終了し、変動金利に移行したそうです。慌ててモーゲージブローカーに他の借り換えプランを探してもらい、月500ポンドの増加に抑えることができたそうですが、それでも家計への打撃は無視できない規模です。
イブニングスタンダード紙によると、ロンドンで住宅を所持している人は、平均で収入の何と4分の3を住宅ローンの返済に充てているそうです。本当かしら…。
住宅ローン金利の基準となるのは、英国の中央銀行であるイングランド銀行が決めるレートで、各銀行がそれに自行のコストを上乗せしたレートになります。次の金融政策決定会合は2月2日に予定されており、市場参加者は、現行の3.5%の政策金利が4.0%に引き上げられると予想しています。2021年12月に始まった利上げによる高金利は、現在10%超のインフレーションが目標の2%に落ち着く目途が立つまで続きます。
私の友人のように、低金利時代に組んだ固定金利住宅ローンが満期を迎え、より高い金利への移行を余儀なくされ、毎月の返済金額が急増して頭を抱えている人がたくさんいます。現在、固定金利でローンを組んでいる人は8割で、そのうち400万人は1年以内に平均年間3,000ポンドの支払い増加になるそうです。利上げが始まる前の2年固定金利は0.8%程度でしたが、現在は5.6%程度(住宅価格に対するローン残高による)になってしまっています。
固定金利ローン終了時に一番大事なことは、利用できるローンの条件を比べて決めることです。Whole Marketへのアクセスがある大手モーゲージブローカーに相談することにより、より多くのローン商品から選ぶことができます。もちろん金融機関への仲介手数料は一時的にかかりますが、長い目で見れば節約できる金額のほうがはるかに大きいケースが多いでしょう。
変動金利住宅ローンはその名の通り、金利が上下するため、毎月の返済額が変動します。 主に、標準変動レート (SVR)、トラッカー、割引レートの3タイプがあります。どれがお得かは、その時々によって変わります。固定金利のローンが終わってそのまま変動化したらSVRが適用になりますが、それは通常割高に設定されています。トラッカーはイギリス中央銀行のレートに連動する金利で、ディスカウントというのは、SVRから一定の利率を差し引いた金利になります。(長くなるので続く)