<英国>リタイア後の収入男女差

私の雇用主が契約している年金運用会社Scottish Widowsから報告書をもらいました。今年初めて読んだのですが、毎年発行しているようです。英国の定年退職後の収入(主に年金)の男女差についてでした。このブログで定期的に書いていますが、現時点での老後に必要なお金のアップデートもしますね。

National Retirement Forecastによると、イギリスの退職後の年収中央値は男性19,000ポンド、女性13,000ポンドで、女性の方が32%低いのだそうです。女性は最低限の生活水準を下回る人が36%で男性の31%より厳しく、快適な生活水準の収入を得る可能性がある人は24%と男性の36%より低いです。

格差の要因は、女性の方が無職期間が長いためです。社会人女性の半数がキャリアを中断していますが、男性は5分の1だけでした。55歳以上の女性の4分の1は5年以上仕事から離れており、育児と健康上の問題、更年期が理由でした。

また、女性が投資よりも貯蓄を好む傾向も格差拡大に寄与しているようです。厳しい表現をすると金融リテラシーが低いということです。ただ、緊急時用の貯金は男性より得意で、71%の女性が1,000ポンド(約20万円)以上確保している一方、男性は59%しか1,000ポンド以上の貯金が無いということでした。退職時点で、男女格差は11万3千ポンド開いており、リタイアまでにローンを終えた住宅を所有していれば、エクイティリリースで10万ポンドほど得られるので差を縮める選択肢だと報告書は結論付けていました。貯金1,000ポンド未満の人の多さに驚愕します。物価が高いので1,000ポンドでは半月くらいしか暮らせませんよ。

日本の場合を調べてみたところ、男女間の格差は30%程度でした。50歳代が65歳になる頃:男性:月約141,000円、女性:月約98,000円→ 差額は 約43,000円。国民年金では男女差は月0.4万円程度で比較的小さく、厚生年金では、現在約6万円/月、将来世代でも約4〜6万円/月の男女差が継続すると予測されています。ひと月10万円以下で暮らす…汗。

公的年金は賃金と就労期間に連動するため、男性の年収・加入期間が長い点が大きく影響。
女性は非正規雇用や出産育児・介護などによる就労断続が多く、厚生年金加入期間や給与が少なくなりがちです。非正規雇用と介護というのが日本の女性の貧困の要因のようです。

イギリスで老後必要な収入がアップデートされていました。何歳まで働くかでだいぶ変わってきます。ご参考まで。

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