日本と英国に独身の叔母がいます(した)。彼女たちが老後をどうしたか、どうしているかを書きます。
英国人の叔母は生涯独身で、昨年、80歳くらいで亡くなりました。10年前に脳卒中になり、一人暮らしの家の中に倒れているのを3日後に発見され一命をとりとめましたが、半身にマヒが残りました。介護が必要になり、ケアホームで暮らしていました。いわゆるキャリアウーマンで、経済的には豊かだったので、高級ケアホームに入居できました。広い個室に生花を飾ってもらえ、ネイルやお化粧までしてもらえるところでした。元気なころは孤独を紛らわすためお酒をたくさん飲み、コレステロールの高い食事をして肥満でした。
ケアホームに入ってからは、近居の実妹と姪の娘(妹の孫)が、毎週のように訪問してあげていました。私たち夫婦もコロナ前は毎年2回は訪問していました。はたから見ると、それなりに幸せな人生だったのではないかと思われます。
日本にも独り身の90代の叔母が居ます。子どもがおらず、20年前に夫に先立たれました。自分の家にひとりで住んでケアマネージャーに週2回訪問してもらっています。介護認定のときに見栄を張って頑張ってしまうので、介護必要なしと判断され、結局実弟の妻が訪問して世話をしているそうです。歩いたり食事はできても、排泄がコントロールできず、気持ちが悪いのでおむつを脱いでしまうらしく、家じゅう大変なことになっていると聞きました。親せきでウチの家族だけ離れて暮らしているため、私の母に介護の依頼はないそうです。介護をしている叔母も80歳近くで、まさに老々介護ですが、彼女がしなければ娘たち(私にとって従姉たち)がすることになるので、頑張っているのだそうです。イギリスでは家族がおむつを替えるという話は聞いたことがないので、プロにお願いするケースが多いのだと思います。
将来自分が老いて一人残され介護が必要になったら、イギリスと日本どっちで暮らすのがいいのか、と考えたりします。人に迷惑をかけたくないですが、残念ながら迷惑をかけずに死ぬことは不可能です。迷惑をかける相手が親族か、ケアしてくれる人かの違いだけでどちらにしろ申し訳ない気持ちになると思います。自分でコントロールできることではないですが、愛する人の負担にならず、認知症にならずに、自力で排泄ができる状態で最期を迎えたいです。
一人で暮らせるうちはなるべく長く自宅で生活したいですが、介護が必要になったら、周りの人のためにケアホームに入ろうと思います。