イラン戦争の影響大の英国、景気後退へ

先進国の中で、イラン戦争の影響を最も受けるのが英国と言われています。その理由は、英国はエネルギー・金融・外交・国内経済構造の4点で「外部ショックへの脆弱性」が特に高い先進国だからです。その結果、インフレが国民を苦しめ、消費者マインドが冷え込み、景気後退は避けられないという見方が出ています。まぁそうでしょうね。

イギリスはかつては北海油田によりエネルギー自給が比較的できていたのですが、現在は国内で使用する原油の7割は輸入に頼っています。LNG(液化天然ガス)はほぼ100%中東から輸入しており、ホルムズ海峡を通って運ばれてきます。ホルムズ海峡の問題で原油やガスの価格が上昇すると、何も策を打っていない英国政府はあっという間にお手上げ状態なのです。燃料の備蓄も、日本は数か月分あると言われますが、英国はガスは1.5~2日とオーストラリア並みの貧しさ。

さらに、英国は構造的にインフレーションに直面しやすいのがネックです。食料の自給率の低さ(個人的な印象では、肉と野菜の一部とリンゴとウイスキーくらいしか国産のものはないのでは?)、都市部の住宅不足、エネルギーの輸入依存度が問題視されています。

ガソリンスタンドの表示はすでに15~20%上昇しています。先月予約した年末の航空券は、その直後に一度価格が下がりましたが、反転し今は4割くらい上がっています。戦争が悪化したら飛ぶかどうかも分からないので、リスキーな賭けではありますが。せめてもの救い(?)は、今後半年ほどは暖房費があまりかからないことですね。

住宅ローン金利は早速年内の利上げを織り込んで長期金利も上昇しているため、2年で5%を超えました。義妹が先月住宅ローン借り換え契約をしたそうで、2年3.75%に抑えることができ(インタレストオンリー商品)、素晴らしいタイミングでした。自分でコントロールできない部分もありますけれど。傷を浅くとどめるには、どれだけ素早く利上げが実施されるかが結構重要になりそうです。

他の要因として、ロンドンは欧州の金融ハブであり、金融市場は英国が唯一(といったら怒られるか)よりどころにする産業です。海上保険の歴史も長く、いまだに世界規模の保険と言えばロンドンに本部を置く企業がほとんどです。海上運送の保険料が値上がりし、コモディティ市場が荒れ、輸入品が高くなり、中東関連の資金が滞り始めると、ロンドンの金融セクターは大打撃を受けるでしょう。

先日発表された1月の英国のGDPは成長ナシ、という結果でした。2月のインフレは前年同月比3.0%。この数値は戦争の影響を反映していません。政府ももたもたして対応が遅れていますし、失業率は上昇してますし、景気後退入りは免れないでしょうね。

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