先週イギリスのスターマー首相は、イギリスの国民健康サービス(NHS)の廃止を発表しました。廃止後は英政府が直接運営するそうです。英国の国家予算の最大の行先がこのNHSで、もう何年も前からこの金食い虫の組織の良いとは言えないサービスが課題となってきました。
NHSは2年以内に保健省に編入される予定ですが、これによりNHSの14,400人の従業員と保健省の3,500人のスタッフの半分(!)の雇用が無くなると英政府は予想しています。大胆な改革ですね。現在イギリスの公務員は50万人以上で、政府はAI分野への投資を増やし、公務員の業務、ひいては人員を削減しようとしています。
NHSは2012年に民営化されました。問題の根源は、税金で運営されているものの政府が直接管理していないということです。国民保険料(給与から天引き)を支払っていれば誰でも無料で制限なく医療を受けられるため、診察までの待ち時間が長く、待っている間に悪化してしまうこともよくあります。ちなみに現在、診察までの待ち時間は予約の電話から緊急でない治療では最長18週間、緊急な治療が必要な癌で28日間(これを待つのは一日千秋)、命に係わるほどではない通常の治療で14週間、事故などの緊急治療は4時間です。コロナ時に後回しされていた治療にいまだに追い付いていないそうです。

ウェールズではNHSは国が運営しているのですが、ウェールズのNHSはほかの地域よりもさらに悪い、と言われることが目下の懸念です。改革の目的は、国民がより良い医療サービスを受けられるようになることです。そのためには国営化により運営が直接コントロールする必要があります。悪名高きNHSのサービスが改善されることを切に願います。
