今年のバジェット、私個人に影響がありそうな内容は

昨日は年1回のバジェットといって、英国政府の財務に関する施政方針演説の日でした。この場で毎年、英国がこれから何にどれだけのお金を使って、その財源はどこからくるのかなど、重要な変更が発表になります。年度予算ですね。イギリス人はバジェットをそわそわと気にしています。

演説をするのはチャンセラー(という役職、財務大臣のようなもの)のリシ・スナク氏です。彼がどういう人かついてはまた別途記事を書く予定です。

昨日発表になった2021年度の英国の予算で一番重大だったのは、法人税が19%から25%に引き上げられるということでした。新しい税率が適用になるのは約1割の高収益の企業のみです。驚いたのが、法人税は1974年以来の引き上げだということです。巨額の政府債務をかかえ、甘いなと思いました。2023年からと言わず2021年からにして、またもっと多くの企業から法人税を徴収しなければ、次世代への重荷が軽減されることはありません。25%でも少ないという印象です。

昨日の発表で、私個人に影響があるかもしれない点はいくつかありました。

1.レストランやパブでの飲食にかかるVAT(付加価値税)が9月末まで5%、来年3月末まで12.5%、その後は通常の20%。→これは確かに割安感あるでしょうね。

2.初回不動産購入時に頭金が5%で良くなる。→これは私たちにとっては、不動産を売却する場合に、初回不動産購入者にも売りやすくなります。

3.住宅購入税減税が6月末まで延長。→これは現時点で買いたい家が見つかっていない私たちが6月末までに手続きを終えることは難しいですが、私たちが売りに出している家を買いたい人がいれば、その人たちには割安なので、売りやすくなります。

4.コンタクトレスカードの上限が100ポンド(15,000円)へ引き上げ。→コロナ禍は完全にキャッシュレス決済を普及させましたね。機械にクレジットカードやデビットカードをかざすだけで支払いができるのはとても便利ですが、40ポンドが上限でした。私は1度に100ポンド以上の買い物をすることがないので、あまり影響ないかもしれませんが。

このくらいでしょうか。トータルで見て、あまり影響なさそうでした。そのほかに、現在のファーロースキーム(コロナで働けない人に政府が80%の賃金を払う)の9月末までの継続、フリーランス業へのサポート、生活保護者への援助増加、個人所得税控除額2026年まで据え置き、酒税やガソリン税据え置き、などありました。

投資収益に課税されるキャピタルゲイン税が40%に大幅増税されるという噂がありましたが、今回は見送られたようです。これが実現したら私には大いに影響ありそうです。

現在の政権は保守党なので、富裕層寄りの政策ではあると思います。労働党がすかさず、「この政策では経済危機が拡大する」と批判していました。私の全体的な印象としては、英国はとても太っ腹だと思います。まさに労働党が掲げたスローガン「ゆりかごから墓場まで」が保証されていると感じます。富裕層からもっとお金をとったらいいと思うのですけれど、そもそも政策を作る側が富裕層なので、貧富の差は縮まりませんね。

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