先日、勤務先の社長から社員全員にメールが来て、会社が組織替えをすることになったことを知りました。今の業務の一部が他の地域と統合することになったそうです。ということは…必要人数が減るということです。
私のいる部署は欧州各国のオフィスに数人ずつ、全部で10人ほどいます。皆、勤続年数が20年ほどと長いベテランです。
私の上司はこの方向性を事前に知らされていたそうで、部員の雇用を守るためにできることはすべてやってきた、と部員に話しました。一応、現時点では人数を減らすという指示は経営陣から来ていないそうです。ただ、こういう動きがある以上、仕事を失う前に他の仕事を探そうとする社員は当然出てくるでしょう。それ以上に、例えばチームの誰かがクビになったら、残った社員の士気が著しく低下します。昨年末に他部署の名物社員が辞め、後でクビになったらしいと噂で聞き、皆ショックを受けていました。社員が挨拶もせずに名簿から少しずつ消えていくことに、実は気が付いていました。
私は今の上司を信頼しており、解雇されるまで今の仕事を続けるつもりです。過去には他の仕事を探してみたこともありますが、今より条件がいい仕事はありませんでした。条件だけでなく、仕事内容も知的好奇心を満たしてくれ、コミュニケーション力がない私でもできる数少ない仕事です。今の勤務先は、待遇も他社に比べて特別優れているわけではないですが、雇用が安定していることが長所でした。長い歴史がある大企業で、業績はコロナの影響をあまり受けませんでした。むしろ多様化したビジネスモデルが奏功し、増益になりました。
夫の勤務先でも似たような動きがあり、ブレグジット遅延のために顧客との契約締結が遅れ、行く末を心配して10人の同僚のうち中堅社員が4人も転職先を決めて辞めていったそうです。その後契約は無事締結されましたが、人員追加をする予定もなく、残った社員でどこまでできるか不透明だそうです。
私も夫も雇用がいつまで続くか分かりません。どちらかがクビになっても、もしくは同時に仕事を失っても生活に支障はありませんが、仕事は家庭以外での自分の存在意義でもあるので、他の仕事を探してみると思います。
今の勤務先で働き始めてから雇用が無くなることを心配したことはありませんでした。将来AIに取って代わられることは想像していましたが、それも数年先だと思っていました。このご時世、安定した仕事なんて存在しないですね。私にできることは、ベストを尽くすことのみです。