<英国>老後資金は不動産頼み

老後の生活資金を不動産に頼る傾向が強まっているそうです。住宅が高額なロンドンでは特に、住宅所有者の56%が老後資金を不動産で賄う計画です。全国平均では28%とのことです。

現在の高齢者は住宅がはるかに割安な時代に購入しており、含み益が数十万ポンド(数千万円)になっているケースが多いです。

日本人からすれば「老後住む家も必要じゃない?」と思えますが、住み替えが頻繁で住宅価値が上がり続けている英国では、退職したら都会の不動産を売って、ダウンサイズした田舎の家に引っ越し、差額を生活費にあてるつもりなのです。賃貸に出して引退後家賃収入にあてることもあります。また、エクイティリリースで生活費の足しにしたり、空き部屋を貸し出したりするケースもあります。現在の引退者世代はこの方法で逃げ切れるかもしれませんね。

英国では約1,500万人が老後の貯蓄をしておらず、2050年までには個人年金収入は現在より800ポンド少なくなると予想されています。でも現在若者の世代は、そもそも不動産が高額過ぎて買えないだけでなく、将来価値の上昇もなさそうです。

その間の中年世代は個人年金基金を後回しにして住宅ローンを必死に返し、年金は国民年金だけという人も多いです。

不動産を持たない場合、勤務先の確定拠出型年金や個人年金へ拠出して増やす方法があります。何度もこのブログに書いていますが、雇用主が上乗せしてくれ税控除もある、確定型拠出年金のパワーはすごいです。個人年金も雇用主からの拠出金はありませんが税控除は受けられます。23歳から給与の8%を年金に拠出した場合、引退までに59万6000ポンド(今の為替で1億2千万円弱)も積み立てることができるとのことです。なるべく早く始めることが大切です。

義両親もこの「不動産だけが資産」という典型的なパターンでしたが、その不動産を担保に入れて高い金利で生活資金を引き出していました。エクイティリリースは亡くなったあと家を売却して清算します。義妹もこの方式で、一切貯蓄はなく自宅が唯一の資産。ローンの残債を返済すべく働いています。私たち夫婦はバランス型で、フラット(アパート)を所有してますが、拠出型年金基金にもせっせと拠出。不動産価値が下がっても老後の生活が賄えるように分散して資産運用をしています。

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