アメリカの大学卒業生の就職活動が厳しいという報道を聞くようになりましたが、ここイギリスでも同じ現象が起こっているようです。理由はいわずもがな、人工知能AIの普及によるものです。
昨日のガーディアン紙によると、エントリーレベル(新入社員向け)の求人が32%も激減しているのだそうです。減少幅が予想以上で、就職氷河期に卒業した経験を思い出して苦しくなりました。
AIチャットボットが登場したのは2022年11月だそうです。それ以来、学位不問の仕事の求人数が約3分の1も減りました。エントリーレベル(つまり経験を求められない)の求人は2022年は全求人の29%だったのが現在では25%です。
効率性を追求し、コスト(社員数)を削減する手段としてAIを活用する企業が増えているのは誰もが知るところでしょう。通信企業のブリティッシュ・テレコムは2年前に4万~5万5千人の社員を削減する計画を発表していましたが、今後さらに削減を進めるそうです。

他の調査によると、今後5年間で初歩的な事務職が5割削減すると予想されていて、失業率が10~20%上昇する可能性があるそうです。さもありなん、ですね。求人サイトIndeedによると、大卒者の求人数は2018年以来最低水準です。日本は新卒者が選びたい放題の売り手市場と聞きますけれどね。
私も仕事や私生活でAIを1年半ほど前からちょくちょく使っていますが、ここ数か月で(体感では今年に入ってから)、精度が急激に上がりました。ちょっとしたレポートとか、エクセルの操作とか、もう何でもAIにやってもらった方が出来が良く、人間の存在意義って何?という感じです。
AIの進化のスピードは驚異的ですが、企業によるアプリケーションのスピードはそこまででもないです。同業他社に比べてどの程度早く、幅広く利用できるか、そしてそれをうまくコスト削減につなげていかれるかが今後の企業のパフォーマンスに直結すると思われます。この大幅な変化は、5年と言わずもっと早く来そうです。
仕事が脅かされるのは新卒だけではありません。経験を積んだ社員の仕事の多くもAIに簡単に代替可能です。もちろん私の仕事もです。まぁその時が来たらAIに働いてもらって、私はのんびりと生きようと思います。