イギリスはあらゆる職種でストライキがしょっちゅうあります。労働組合活動が盛んなのもあり、一番頻繁なのは地下鉄や鉄道の職員によるものですが、看護師や医師、教師、航空機の客室乗務員やパイロットのストライキなどあり、その都度公共サービスがストップします。多くの場合が給料アップを要求するものです。
今回ニュースになっているのは英国第2の都市、バーミンガムのごみ収集人のストライキです。組合は、ごみリサイクルおよび収集オフィサーという役職をなくす方針の市議会との交渉が決裂しており、街のごみが回収されなくなって5週目に突入しました。市中にはごみが山積みになっていて、巨大なネズミが目撃されたそうです(ウギャー!)。1回来なかっただけでもごみ箱はあふれてしまいますから、想像すると恐ろしいです。

何回か書きましたが、イギリスの地方自治体は財政難に陥っており、バーミンガムは2023年に事実上の破産宣言をしています。
バーミンガムのごみ収集人の年収は、24,000~30,000ポンド(約454~567万円)です。ロンドンはもう少し高く、時給12.51ポンド(約2,400円)だそうです。嵐の日も回収に来てくれて、巨大なごみ箱を空にしていくという厳しい肉体労働です。必要不可欠な仕事ですし、公衆衛生のためにももう少し払ってもらいたいですが、無い袖は振れません。
今のところ、英国政府が軍隊の事務方を送り込んでごみ回収に対処しているようです。バーミンガム市はごみ収集の頻度を減らすことは発表済みですが、一方で市税を7.49%増税しています。
同様のストライキがほかの街で起こる可能性は十分にあります。
バーミンガムでは2回目の市からの提案が組合に拒絶されて交渉が決裂しました。直近のニュースでは、市が取りやめる役職の人に同水準の給与の仕事を用意することを約束すれば、組合は交渉に応じる可能性があるとの歩み寄りがみられたとのことです。
英国を代表する大都市にごみが積みあがって道をふさいでいる…先進国とは思えませんね。暑くなる前に事態が収拾することを祈っています。