<賃貸>無過失立ち退き禁止とペット飼育の権利

昨日イギリス議会に提出された貸借人権利法案には、賃貸の無過失立ち退き禁止と、賃貸人のペットを飼う権利が含まれています。昨年保守党が提出した法案ですが、微修正を経てこれから再審議されます。

メインは賃貸人が無過失の場合、大家が立ち退きを命ずることはできない、という部分ですが、新たにペット飼育の許可を求める権利と、不当な家賃引き上げにテナントが異議を申し立てる権利が与えられそうです。

今回廃止される第21条通知というのは、無過失立ち退きと呼ばれ、大家が賃貸人に理由を知らせずに退居を求めることが出来るものです。法案改正により、大家はテナントに退居してもらう少なくとも2か月以上前に通知を出すことになります。報道によると、過去5年の間に2万6000世帯が無過失にもかかわらず退居せざるを得なくなりホームレスになったそうです。

他に追加される可能性があるのは、大家と不動産屋による賃貸入札競争を禁止する法律、入居者を選ぶ際に生活保護受給者や子どものいる人を差別することを違法にする法律、カビの生えた家を修理しない大家を取り締まる法律、などです。これから審議が始まるので、最終的に議会を通過して法案が可決するには時間がかかると思われます。

私たちは大家の立場ですが、あまり影響が無さそうです。私たちのフラットはペットを飼いたい場合、同じ建物の他の住人全員から合意を得なければならないことがリース契約に明記されているので、テナントがペットを飼いたければ法案成立後もその手続きが必要です。また、2か月ノーティスはテナントとの賃貸契約がそうなっているので、家主・借主双方退居の2か月前に通知することになります。私が実際に会って選んだ今のテナントたちとはとてもいい関係を築けており、彼らはできるだけ長く住みたいと言ってくれています。自分のテナント時代の経験から、こういう大家だったら嬉しいだろうな、と考える姿を目指しています。

悪徳大家が多いのでしょうけれど、全体的に借主保護に向かっており、先日書いたキャピタルゲイン税改正もあって大家業から撤退する家主は増えることが予想されます。

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