英国で病気による欠勤が増加

先日、チャールズ王やキャサリン妃の病気の報道がありましたが、英国全体で病気で働けない人が1990年代以来最大となっているそうです。

シンクタンクのレゾリューション財団の調査によると、英国で健康不良を理由に働いていない人は、労働年齢層の最年少と最年長に多く9割を占めるそうです。その数はなんと270万人にのぼり、国民保健サービスや福祉の費用を増大させるだけでなく、経済停滞の原因となっています。長期の病欠は2019年以来増加の一途で、G7の中で唯一英国だけがパンデミック前の雇用水準に戻っていないと報道されています。

不健康な人が多いのは事実ですが、一方で働けるのに傷病手当や失業保険をもらっている人も増えているようで、納税者の負担になっています。2020年代末までに年間909億ポンド(約18兆円)の病気手当が税金から支払われるようになると予想されています。

若い世代で仕事を辞める人は精神の健康状態を理由にするケースが多く、メンタルヘルスの重要性は認識しつつも、通常の人生の浮き沈みを病気と扱い、腫れ物を触るように周りが気を使いすぎという意見もあるようです(デイリーメイル紙)。

私の部署に仕事をしない同僚がいます。数年間「ぎっくり腰で働けない」と気が向いた時だけ出勤し、クビ寸前で復帰したと思ったら「家族の介護で働けない」ということでまた数か月来なくなり、次はどの手で来るかな?と思っていたところ、案の定先月から無期限の病欠に入りました。案の定、というのは、私の雇用主が昨年人事方針を変更し、社員は最長5年間病欠が取れることになったのです。その間給料は満額で支払われるので、とにかく仕事をしないためにあの手この手を尽くす同僚は絶対にこの制度を利用するだろうと思っていたのです。仕事をしなくても給料がもらえるなら働くはずがなく、果たして、発表から数か月で無期限病欠が始まりました。またクビが危なくなるころに出てくると思いますが、サボる同僚がいる社員の負担は甚大です。イギリスだけでなく、他国のオフィスにも同様に働かないクセがついてしまった同僚がいますし、他の会社でもやはりそのような社員がいるそうです。5年間が終わるころ数か月出てきてまた長期病欠に入るというパターンを定年まで繰り返すと思いますが、図々しさに呆れてしまいます。会社側も病気と言われれば解雇しにくいようで、ずる賢い同僚はそれを完全に利用しています。

こういう太っ腹な制度は自分が働けなくなった時にはありがたいですが、私なら同僚に迷惑かけまくってまで働かないで給料丸ごと受け取るのは罪悪感があるので、自分から辞めると思います。

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