何年も前から決まっていたことですが、いよいよ来月29日からULEZ(超低排出エリア)がロンドン郊外にまで拡大されます。私個人としては、待ち焦がれていた制度です。遅すぎはしましたが、これによってロンドン中心部だけでなく周辺の大気汚染が少しでも改善することを期待しています。
ロンドン中心部は混雑料があるため、現在はもうほとんど普通の車は見かけません。バス、タクシー、デリバリー車以外では、乗用車は電気自動車か少なくともハイブリッドをごくたまに見かける程度で、それも誰かのハイヤーだったりします。このようになってから、ロンドンの空気の質は驚くほど改善しました。
今回のエリア拡大は、ロンドンのほぼ全域をカバーします。もちろん、私が住む地域も入りますが、ロンドンを取り囲む環状高速道路M25は含まれません。
現在ロンドン郊外を走っている車の約1割に8月29日から料金(実質罰金)が毎日£12.50(約2,262円)かかります。16年以上のガソリン車と6年以上のディーゼル車が対象です。私の知人は長年乗っている愛車を手放すことができず、最近ゾーン外に引っ越しました。環境に悪い車に乗り続けるのは自己中心的だと私は思いますが。
ノルウェーの同僚から聞いた話ですが、同国は欧州一の原油産出国であるにもかかわらず、国内の電力生産には火力はほとんど使わず、ほぼ水力発電で賄っているそうです。そして、首都オスロでは数年前からもうガソリン車はほとんど走っておらず、環境対策が徹底されているそうです。そういえば環境問題を叫ぶグレタさんも北欧スウェーデン人でしたね。子どもの頃から環境への意識が高まる地域なのでしょう。アイルランドの首都ダブリンも同様だそうです。人口が少ない国は仕組みを変えやすいのかもしれませんが、英国はリサイクルなども含め環境への対応が後進国並みに遅れている印象です。政府も国際世論対応のためにしぶしぶ取り組んでいる感じが否めません。
私の住む地域ではまだ古いディーゼル車が黒い排気ガスをまき散らしながら走っています。ULEZ拡大で大気汚染がマシになりますように!