イギリスの金利、どこまで上がる?

米国は政策金利をサクサクと上げてきたことで、ようやくインフレが収まってきていることが昨日のCPI(消費者物価指数)で確認できました(4%に下落)。FRBは今回利上げを見送ると予想されています。利上げ打ち止め感が見えてきたことから、米国株式は上昇し、つられて日経平均も上昇していますね。

一方、物価上昇がいまだに8.7%と収まる兆しを見せないイギリスは、今後もあと2回は利上げがあると思われます。次の政策金利決定会合は今月22日に予定されていますが、今のところ0.25%引き上げられ4.75%になるというのが市場のコンセンサスです。さらに最終的な着地点は少なくとも5.25%、最高で5.75%と予想されています。

昨日13日に発表された4月の雇用統計で、英国のジョブマーケットが引き続きひっ迫していること、平均賃金の伸びが加速していることが確認されました。労働者不足により賃金が上昇しているということは、物価も当面上がり続けることを意味しています。また、食料やエネルギーを除くコアインフレ率が6.8%に加速しており、これが意味するところはインフレーションは国内要因(つまりは国内賃金上昇)によるものということです。いわゆる、賃金物価スパイラルといわれる状況で、イギリス中央銀行のベイリー総裁は「インフレを抑えることができなかった」とすでに敗北宣言しています。

クレジットカードの平均利息は年率20.7%

インフレに対処するには政策金利の利上げしか方法が無い、とハント財務相が発言しています。政府は、住宅価格下落や景気後退などのリスクを差し置いても、インフレ退治が最優先課題であるとしています。

金利上昇で現在一番問題になっているのは、住宅ローン貸し手の銀行が、ローン商品の取引を撤回し、金利を上乗せして出しなおしていることです。現在、2年固定住宅ローン平均金利は5.86%になっています。住宅ローンを変動金利にしている人は15%だけで、今後固定金利ローンの人の借り換えが進むにつれ影響は徐々に広がっていきます。

英国では一世帯あたり平均で£65,513の借金があるそうです(住宅ローン含む)。これは平均年間世帯収入の105%に相当します。個人の借り入れだけでなく、国家レベルでの借り入れ(国債など)の金利も上昇します。

日英の金利差が広がり英ポンド高が加速、現在1ポンド177円にまで上昇しています。一時帰国しようかしら…。

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