前のテナントとのDispute、やっと決着

賃貸に出している不動産のテナントが去年12月に入れ替わり、以前に住んでいたテナントとすったもんだがありました。2年間据え置きだった家賃を6パーセント上げようとしたら断固反対と大騒ぎをされ、やむを得ず退居してもらいました。同じエリアの年間家賃上昇率が16%以上なので、驚く水準ではないはずです。

不満を抱えたテナントたちは契約条件であった清掃をせずに退居したので、私たちは清掃費用の一部を敷金から引くことを告げました。そしたらなんと、不当に敷金を取られたと私たちを訴えてきたのです。彼女たちは入居の際にプロによる清掃を要求してきました。私たちはその条件を受ける代わりに、退居時に同じレベルの清掃をすることを約束してもらいました。私たちが払った費用は365ポンドですが、テナントは自分たちで軽く掃除しただけなので、ホコリが積もっており、カーペットも汚れたままでした。私たちは60ポンドだけ費用を負担して欲しいと依頼しました。

TDSという、デポジットの争いを仲介してくれる機関があります。掃除をしたと言い張るテナントはTDSにケースを立てました。尚、テナント側は無料で申し立てができますが、大家は不動産屋を通さないとケースにアクセスできないので手数料を数十ポンド払います。

そもそも、退居の際に不動産屋が部屋の状態を確認して、テナントに契約通りに掃除をするように要求するべきだったのです。この不動産屋とは縁を切ろうと思います。

TDSから通知が来て、必要書類とメールのやりとりをアップロードしました。インターネットでは、TDSの判断はテナント側に立つものが多く、大家が勝てるケースはほとんどないと書かれていました。実際に、予備審査の結果、敷金を全額返金することになるだろうという途中経過の通知をもらいました。契約書の該当箇所と、退居時の第三者による状況確認レポートなどの資料を再提出しましたが、内心、難しいだろうとは思っていました。

昨日最終通知が来て、テナント側の敗訴、つまり敷金の一部は返金不要という判決でした。5か月にわたる争いが終結しました。TDSの判決はファイナルで、アピール(上告)できないことになっています。

私にとって60ポンドという金額自体はあまり重要ではありません。実際に不動産屋に支払ったケースアクセス料でチャラになりましたし、たかだか数十ポンドのためにこれだけのストレスを抱える人はいないと思います。夫は最初から一切関わろうとしませんでしたが、私が一人で戦った理由は、英語でいうところのIt is a matter of principle.です。

賃貸をしている人から、退居時に大家が敷金からいろいろ勝手に差っ引いた、という話を聞きます。不当に感じた場合はまず大家と交渉してみて、合意に至らなかったらTDSに判断を委ねることも選択肢の一つです。

私は過去自分がテナントだった時には、退居の際に修理代やクリーニング代を一部負担することに合意しましたが、契約を遵守しないどころか訴えてくるモンスターテナントの存在を知って、大家として勉強になりました。彼女たちとやっと縁が切れて安堵する一方、家賃を払うのが悔しくて、大家を敵と考える人が少なくない現実を再認識しました。

現在のテナントは必要以上の要求をしてこなくてリーズナブルですし、連絡も付きやすいです。リクエストされた修理は全部済ませ、目下バルコニーの安全対策の工事を手配しているところですが、こちらのアクションにとても感謝してくれています。

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