ロンドンで賃貸物件を見つけるのが難しくなっているという記事を昨日書きました。BBCの報道によると、大家は住宅ローン金利の急上昇のため、家賃を上げざるを得ないようです。
数か月前まで空前の低金利だったので、賃貸に出すことを前提としたBuy-to-letという投資用不動産物件を少額の頭金で購入する人がたくさんいました。家賃が住宅ローンの支払いに充てられ、オーナーは物件の価値が将来上がるのを待つだけという状況でした。
ところが、住宅ローン2年固定金利は1年前2%ちょっとだったのが現在は6.5%。特に家賃が上昇している地域は、投資用物件が多数建設されたロンドンを含む南東イングランドだそうです。銀行などの住宅ローンの貸し手も、物件価値の50~60%を超えるローンに難色を示すようになっているそうです。4割の大家が賃貸物件の住宅ローンを支払っており、住宅ローンの返済に困った大家たちが物件を売り出しているために、賃貸用物件が不足しています。
こうした動きから、英国の住宅価格は過去15か月で初めての下落となりました。住宅ローン確保の難しさから、最終的には10~15%下落すると予想されています。
イブニングスタンダード紙にも、ロンドンで賃貸物件を借りる難しさが書かれていました。ロンドンの平均家賃は現在月約2,000ポンド(33万円)ですが、物件が見つからないテナントが高額をオファーするため、上昇し続けています。同紙に載っていた28歳の女性は、競争に勝つために内覧前にオファーをしているそうです。さらに、複数のテナント候補が同時に内覧するオープンハウスで、大家に気に入られようと自分を売り込む人が続出し、中にはその地域への愛と物件を大切に扱うことを誓う手紙を持参している人もいるとか。その女性は、市場に物件が出たらすぐに携帯に通知が来るように設定していたものの、退居日までに物件が見つからず、知人の家のソファー(!)に仮住まいさせてもらっているそうです。こういう状況を知って、昨日私たちのフラットにオファーしてくれた人は内覧をしないで決めたのではないかと思いました。
フラットシェアを探している女性の話では、Spareroom.comのウェブサイトから100~150通のメッセージを送って返事があるのは5%程度だそうです。なんとか内覧できても、後で連絡を取ろうとすると返事がないそうで、私が彼女の立場なら絶望しそうです。
住む場所が見つからない人の他の手段として、Share and Care Homeshareというものがあるそうです。年金受給者の空き部屋を月150ポンドの家賃で借りる代わりに、料理や各種修繕を含む家事や話し相手を週10時間勤めるのだそうです(最短1年から)。同様に、Hapipodというホームステイ的なものもあり、家賃は最高月350ポンドですが、週8時間の家事手伝い(子守りや日曜大工)をするそうです。需要と供給をマッチさせるいいシステムだと思いました。
日本人で家具付きの物件を希望する人は、インターネットの掲示板でフラットシェアを探す人が多いですね。日本人向けウェブサイトで日本人に限定してテナントを探す非日本人の大家は、日本人は言いなりになると思っている人もいるので、入居を決める前に大家がどういう人かよく見てくださいね。