私たち夫婦は去年の秋からずっと購入する不動産物件を探しているのですが、未だ見つかっていません。正確にいうと見つかったのですが、売主の気が変わり、キャンセルになってしまいました。
住宅の供給は依然極めて少ないままです。タイムズ紙によると、コロナ前の3分の2に減少しているそうです。もちろん、1月2月と比べると、3月4月は広告の数も増えています。でもそれ以上に購入希望者も増えているようです。夕刊紙イブニングスタンダードの記事によると、あるカップルは過去6か月で3件しか内覧する物件が見つからなかったそうで、私たちと似た状況です。
不動産の平均価格は昨年比2桁%上昇しており、生活費(物価)もローン金利も上昇しているのに、物件の3分の2は売りに出されて1か月以内に買い手が見つかるそうです。そして、現在不動産屋が扱っている物件件数は歴史的低水準になっています。
家を売ろうとする人がほとんどいないのは、売る理由がないからです。住宅ローン金利は上昇しているとはいえまだ低いですし、家賃は再び上昇に転じていますし、今慌てて売らなくてもと考えているようです。そして決定的な理由は、家主自身、引越し先の物件が見つからないから売れないのです。
それでも、過去1年で今が一番物件が出てはいるそうです。不動産屋のKnight Frankによると、売り広告は過去5年平均より0.5%少ないだけですが、購入希望者は同56%増だそうです。今年と来年は不動産価格は一桁%台上昇すると予想されています。
買い手として立場が強い(複数の購入希望者から選ばれやすい)のは、以下のプロファイルです。現在賃貸物件に住んでいて、住宅ローンの仮承認を得ていて(手続きが早く進む)、入居時期がフレキシブル(売り手が引越し先を探す時間がある)。理想的には所有物件の売却を済ませていて、チェーンが無い買い手。一番強いのは、住宅ローン申請を却下される心配がない、現金で購入できる買い手。もちろん入札価格は大事ですが、少しの差であれば、入札価格が多少低くても、リスクが少ない強い購入者が選ばれます。
売却を済ませたものの、家が見つからずに賃貸をする人が増えています。英国の全賃貸居住者の4.5%は購入物件待ちの人だそうです。
私たちも、あまりの見つからなさに不動産購入を諦めかけています。住宅市場の流動性が回復することを祈っています。