イギリスの新しい雇用対策1 ~失業率上昇はどこまで防げるか

9月24日にイギリス政府は新しい雇用対策を発表しました。

現行のファーロースキーム(Furlough Scheme、コロナで収入が減少した人への経済的支援)が10月末で終わるので、11月1日からの救済策です。ドイツが行っている方策と似ています。ジョブサポートスキーム(就業支援策)と呼ばれます。

従業員は通常の3分の1以上の時間を時短で働けば、不足分の労働時間分の給料の3分の1ずつを企業と政府からそれぞれ補填されるというもので、少なくとも給料の77%を受け取ることができます。ファーローでは全く仕事をしなくても、8割までもらえたので、新しい制度では3分の1は働かなくてはいけません。

雇用者にとっては今まで政府が80%払ってくれた賃金支援が、22%に減少することを意味します。また、被雇用者にとっては、解雇されるリスクが減るわけではありません。

失業者が急増するのを防ぐために始まったファーロースキームですが、9月20日までに393億ポンドの申請があり、イギリス政府は10月末までに600億ポンドの拠出を見込んでいるようです。今年の3月以来、この制度の利用者は120万の雇用者を通して960万人だそうです。

行きつけのレストランやお店が何件も倒産してしまい、スーパーや駅の前にはホームレスの人が増えました。私の知人にもこのファーロースキームに頼っている人がいます。イギリスの第2四半期のGDP速報値はマイナス20.4%でした。雇用が本格的に回復するのには、年単位で時間がかかると思われます。

このグラフ、衝撃的でした…

<追記>その後イギリス政府は政策を改めました。新しい雇用対策はこちらの記事をご参照ください。

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