年老いた親の孤独問題

70代後半の義理の父は認知症ではありませんが、妻(私にとって義母)が亡くなって一人暮らしを始めてから、よく孤独を訴えてきています。

夫は毎日電話して、毎週少なくとも1度は訪問しています。義妹も忙しいなか10歳の娘(孫)を連れて週に1度は訪問しています。それでも足りないようで、義妹が訪問できないと、義父は「親に会うより大事な用事なんてあるか!」と夫に怒りをぶつけます。夫が行かれない時は義妹に同様の愚痴をこぼしています。先週も、義妹が娘を連れずに一人で義父に会いに行ったら、「孫に何週間も会っていない」と夫に文句を言っていました。姪も習い事や友達の誕生日パーティなど、子どもなりに忙しいので、祖父にそこまで時間を割けないのです。去年私たちが車を処分した時、「車が無かったら会いに来れないじゃないか!」と言われたので、夫は仕方なく車を購入しました。

義父は趣味がなく友人もいないため、一日中テレビを見て、ときどき食料を買いに行くだけの生活です。家族(息子と娘と孫娘)が彼のすべてで、精神的に依存しています。

日本にいる私の実母は同じく70代後半ですが、やはり夫(父)を亡くしてから、1人暮らしをしています。今のところ元気で、毎日ウォーキングをし、近所の人と立ち話をしたり、庭いじりをしたり、ボランティア活動をしたり、地元の高齢者向けスポーツやカラオケに参加したり、孫の世話をしたり、友人とランチに出かけたり、何かしら用事を作って忙しくしています。寂しいか聞いてみたら「自由で、好きなことが出来て、とっても幸せ(ハート)」とのことで安心しました。母には週に1度電話していますし、母は姪の世話をするために妹の家に行くので、妹には毎週会っているようです。

義父は寂しいと訴えてきますが、自分で外に出て人と会ったり趣味をもってみる気は全くありません。外国にいる自分のきょうだいとはよく電話しているようですが、それ以外は子どもたち(夫と義妹)が何とかしてくれるのが当たり前だと思っています。でも、子どもたちにとっては貴重な週末の1日を費やして毎週会いに行くことを期待されるのは負担なのです。

別居している家族にできることは、①まめに電話する ②できるだけ訪問する、くらいしかありません。本人に興味があれば、地域のグループやボランティアを探してあげたり、ペットを探してあげることはできますが、義父の場合はそんな気は毛頭ありません。毎日座ってテレビを眺めているだけなので認知症になってしまうのも遠くないでしょう。かといって無理やり外に引っ張り出すわけにも、四六時中相手をしてあげることもできず、私たちにできることは限られています。

夫は、年老いた親は子ども返りをするものだ、と言います。自分の子どもにしかわがままを言えないので、いろいろ世話をしてあげなければいけません。私たち夫婦は子どもがいなくて友人も少ないので、老後に一人残されたら電話で話す人もおらず、孤独を感じることはほぼ確実です。もちろん今から覚悟をしています。高齢者の孤独問題に正解は無く、本人が自ら一歩を踏み出さなければ、状況が改善することはありません。

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