義父は以前、自動車関連の詐欺に引っかかったことがあるのですが、今回また詐欺の被害に遭いました。
NHS(国民健康サービス)をかたる番号から携帯に、「ワクチン証明書の発行に4ポンド(600円)必要なので振り込んでください」とテキストメッセージがあり、義父は何の疑問も持たずにすぐに振り込んだそうです。NHSはすべて無料なので、お金を取るはずがありません。
詐欺グループはそれで銀行口座や振込人の情報を得て、今度は「A銀行ですが、あなたは〇〇さんですよね、そして誕生日は何月何日で…」と個人情報を並べ立てるので義父は銀行からだと信じてしまい、デビットカードの裏にある3桁のセキュリティコードを電話で教えてしまいました。さらに、「他の銀行にも口座ありますよね」と言われ(遅くともここで気づくはずですが)、そのB銀行口座の情報も教えてしまったのだそうです。
後ほどB銀行から、「あなたの口座に不正アクセスをしようとした人がいました。こんな送金指示を出しましたか」と電話が来て、義父は詐欺に遭ったことを知ったそうです。義父は前回の記事でも書いたとおり持っているお金はすべて使ってしまうので、先日夫が渡した数十万円相当のお金は1週間以内に家具などを買って使い切っており、口座には(幸い?)100ポンド(15,000円)しか残っていませんでした(唖然)。その100ポンドと、あとはオーバードラフトと言う、高金利の短期ローンの枠1,500ポンドが全額使われていました。被害総額は1,600ポンドです。盗まれたお金は誰かのビットコイン購入に使われたそうです。
私も毎日何通も詐欺のスパムメールや携帯メッセージを受け取りますが、もちろん無視しています。例えば、「あなたは宝くじに当選しました!お金を受け取るために銀行口座の情報を入力してください」とかです。こんなのに騙される人がいるのだろうかと思っていましたが、引っかかってしまう人が結構いるようです。今日のBBCの記事にも同様の詐欺の被害が載っていました。
この男性のケースでは、「支払いを許可はしたが、同意しなかった」という理由で銀行が被害額を返金してくれるそうです。義父の場合も銀行が補償してくれたらいいのですが。
義父はまた彼の論理で「詐欺だと知らせてくれなかったA銀行が悪い」と言っています。夫が「怪しいと思ったら振り込む前に相談して」というと「もうこの話はしたくないんだ!」と腹を立てて電話を切ってしまいました。
次の朝、義父は前日怒ってしまったことを夫に謝るメールを送ってきました。皇帝のような義父は息子である夫に謝ったことなど過去に一度もなかったそうで、夫は驚いていました。
義父が気の毒だから、と夫はまたお金を渡すそうですが、有意義に使われるとも思えず、またその日のうちに無駄な買い物をして無くなってしまうんだろうな、ともやもやしてしまいます。