公的年金だけでは暮らせない、イギリスの老後

先日読んだ記事によると、イギリスは定年退職後の収入は現役時代の28.4%だそうで、欧州で3番目に低い水準だそうです。(データ出所:OECD「退職前所得に対する年金給付額の比率」)

これはOECD加盟国では48位、ちなみに日本は43位(36.8%)でした。イギリスは先進7か国で最低水準です。

イギリスは特にミレニアル世代(1977年~1995年生まれ)の人たちにとって、魅力的な引退場所ではないとあります。

この状態になっている要因の一つは、都市部とその周辺部の家賃が他国に比べて高いことが挙げられます。また、ミレニアル世代は、「人生は一度きりだから、今を楽しく生きよう」という考えのもと、老後の計画を怠りがちだそうです。家計に占める住居費の割合が高く、十分な貯蓄ができない一方、老後の生活レベルを落としたがらない人が多いといいます。

この世代の人たちが引退する頃には、年金基金が不足していることが懸念され、イギリス政府は国民年金支給開始年齢を66歳に引き上げましたが、私が引退する頃には67歳になります。これはいずれ70歳になるのではないかと予想されています。尚、厚生年金の方は今のところ55歳から受給が可能です。

なかなか自ら貯蓄をしようとしない人のために、拠出型の厚生年金への加入が強制されています。イギリスでも日本でも、老後貧困で悲惨な思いをしないためにできる対策は一緒です。なるべく若いうちから年金基金への積み立てを始めることが一番有効です。こうした給与からの天引き分は非課税なので、資産形成をスピードアップできます。厚生年金だけでなく、ISA口座の非課税枠を利用することにより、十分な準備ができます。

言うまでもなく投資にはリスクがつきものですが、ある程度リスクを取らなければ資産は増えていきません。

私たち夫婦はそれぞれ勤務先の厚生年金に積み立てをしていて、これが老後生活資金のベースになる見込みです。年金受給時にファンドの価値が下落しているリスク、将来日本に住む場合の為替リスクも考慮して分散投資をしています。それ以外には、不動産投資からの家賃収入が少額ある見込みです。State Pensionは受給できるのはだいぶ先になりそうですし、せいぜい月数百ポンドだと思うので、もらえたらラッキーという程度で期待していません。

若い時は支出も多く、貯金や投資にお金を回すのは本当に大変で、いろいろなものを犠牲にしながら蓄財してきました。でも、20代の頃からコツコツとやってきて良かったと思える時が来ますので、資産形成を考えている人は、少額からでも早く始めることをお勧めいたします。

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