イギリスの物価は2.1%上昇、衣類と燃料費が押し上げ

本日発表になった、イギリスの5月の物価は前年同月比2.1%の上昇となり、市場予想の1.8%や中央銀行のインフレ目標2.0%を超える水準でした。2年ぶりの高さです。とはいえ、先日発表された米国のインフレ率5%をはるかに下回っていますね。

特に、燃料費と衣類の値上がりが顕著だったそうです。5月は生活必需品以外の店が再開し、衣類などセールになっていなくても購入する人が多かった一方、食料品は昨年パンデミックで上昇した時より安くなりました。

外出禁止の時期に人々は貯金を増やしており、制限が緩和されると反動で消費活動が活発になったようです。確かに、私も5月以降、人に会う機会が増えたこともあり、めったに買わない服を6枚も買いました。

日常生活では、先日も書きましたが、カフェで飲むコーヒーやアイスクリームが高くなったと感じていました。それ以外には、交通費は毎年上がり続けて今年ロンドンでは2.6%の値上げでした。また、私が住む地域では、住民税が5%近く上がりました。義父も何もかも高くなった、と愚痴をこぼしています。

また、一番顕著に感じるのは、美容院代です。数年前まではワーキングホリデーで滞在する日本人美容師さんがたくさんいて、ヘアカット25ポンド(3,900円)くらいで見つけられました。今は安くて45ポンド(7,000円)程度です。技術が良いと分かっている人になら払いますが、初めて切ってもらう人に払う金額としてはリスキーです。ヘアカットはショート全体カラーで75ポンド(12,000円)程度です。なので、カットとカラーで2万円近くしてしまうのに、日本で美容院に行くほどの満足が得られないこともありますし、ショートヘアだと1~2か月に1回は美容室に行かなくてはいけません。日系美容室は中心部にあるので、郊外からの交通費約2,000円やかかる時間を考えると、なるべく先延ばしにしたいところです。

ちなみに、夫の会社も私の会社も昨年は社員全員昇給0%でした。今年は多少あるようですが、インフレを超える昇給率とは思えず、実質減給です。仕事があるだけありがたいとは思いつつも、モチベーションが下がりますよね。尚、イギリスの国民年金は受給額が2.5%上昇したようです。

さて、物価上昇が顕著になった場合(エコノミストの一部は、物価上昇は一時的なものと見ています)、次に来る質問は、中央銀行による金融引き締めが「いつ」始まるかということです。また、アメリカではすでに平均賃金の上昇がみられるようですが、イギリスでどの程度賃金上昇が起こるのでしょうか。

ONSのデータによりますと、イギリスの4月の賃金は前年同月に比べて、インフレ調整後で5.6%上昇しているとのことです。前年は特別な状況だったので簡単には比較できませんが、上昇してはいるようです。

アメリカではインフレ期待は既に各種市場に反映されていて、FRBによる年内最低1回の利上げは織り込み済みだそうです。

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