<英国>国民年金受給開始年齢を引き上げへ

日本ほどは少子高齢化の危機が騒がれていませんが、先進国はどこも同様の現象が起こっており、イギリスも例外ではありません。

日本の国民年金(老齢基礎年金)の受給開始年齢は原則65歳で、60歳から繰り上げ、75歳まで繰り下げのオプションがあるようですね。イギリスは繰り上げ受給はできません。ただし、会社勤めで厚生年金に加入している人は55歳以降自分が貯めてきた資金にアクセスができます。

7月21日に英国政府は、公的年金受給開始年齢を遅らせる議論を始めることを正式に発表しました。2014年に年金法が制定され、定期的に年金受給開始年齢が見直されることになっています。初回は2017年に、2回目は2023年に行われました。

現在英国の公的年金受給開始年齢は66歳で、今後2年間で67歳に引き上げられることが決まっています。さらに、2044年から2046年の間に68歳に引き上げられます。今回の見直しでは、68歳への引き上げが前倒しになる可能性が高いです。

専門家の試算によると2050年に退職する人は、現在より受け取る年金額が年間800ポンド少ないのだそうです。格差の拡大が問題視されています。1500万人が退職後の年金が不足しているそうで、それは自営業者、低所得者、一部の少数民族が影響を受けています。就労している人の45%(!)が民間年金基金に一切貯蓄をしていないそうで、特にパキスタンやバングラデシュ系の移民は25%しか年金に資金を入れていないそうです。年金受給額の男女差もひどく、女性は男性の半額程度です。

高齢化により人々の寿命が延びて政府の財政を圧迫しているのは日本だけではないということです。現在の68歳への引き上げ計画により、イギリスはリビアの70歳、デンマーク(69歳への引き上げを計画中)に次ぐ、世界で最も高い定年年齢の一つとなります。一番低い定年年齢はスリランカの55歳とのこと。

年金受給開始まで働かないといけない人が半分近くいますが、彼らが働ける健康状態を保っている可能性は低いでしょう。そもそも高齢者向けの仕事が少ない(雇ってもらえない)という現実があります。マラソンでゴールテープがやっと見えてきたと思ったら直前で「ゴールはあと1キロ先です」と言われる感じですかね。私は68歳まで健康で働き続ける自信がないので、お金に働いてもらうシステムを構築中です。

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