<前回からの続き>
良く知られているように、口座名義人が亡くなると日本の銀行口座は凍結されます。相続手続きが完了するまで、預金の引き出しや振り込みはできなくなります。相続人が銀行に連絡し、必要な書類を提出することで、口座の凍結解除手続きを進めることができます。必要な書類には、以下のようなものがあります:
亡くなった人の戸籍謄本 / 相続人全員の戸籍謄本 / 相続人全員の印鑑証明書 / 遺産分割協議書(遺言書がない場合)
外国人の夫がこれらの書類を揃えるのは難しいと思うので、私の戸籍謄本の取得方法は遺言に書いておこうと思います。
海外在住の日本人が亡くなった場合、故人が日本に持っていた株式や投資信託も相続されます。銀行口座にある資金の相続と手続きが少し異なります。
・金融資産の名義変更:相続人が海外在住の場合は、現地の日本領事館で署名証明書を発行してもらう。
・日本の相続税法に基づき、相続税の申告と納税。
・金融機関に連絡し、手続きに必要な書類の指示をもらう。
イギリスの年金がどうなるのかは、状況によります。亡くなった人の国民年金が配偶者に支払われる金額は、夫婦でいくら納めてきたかと亡くなった人の年齢で決まります。残された配偶者は自分の国民年金に上乗せするかたちで一部受け取るのが一般的です。
厚生年金および私的年金は、年金管理会社によって違います。例えば共同名義にするオプションがあれば、残された配偶者は年金を受け取ることができます。私の厚生年金管理会社のポリシーでは、事前に登録した受益者が年金基金を引継いで受け取れることになっていました。受益者が誰になっているかを確認しておいた方がいいですね。
相続税は毎年のようにルールが変更になるので、相続発生時に税理士や弁護士に相談するしかなさそうです。我が家の場合、夫婦の年齢差と健康状態と親族の寿命から、私が後に残される可能性が9割程度だと考えています。相続発生時に複雑な手続きが自分で出来る程度に健康だったらいいのですが、認知症になっていたら難しいでしょう(認知症だったら遺産を相続しても有意義に使えなそうですけれど)。配偶者の死が分からないほど認知症がすすんでいて悲しくないなら、それも幸せなのかもしれませんが。子どもがいる場合、イギリスの方が配偶者への配分が多いですね。
私が死んだ場合に夫が相続する額をざっくりと計算してみたところ、イギリスの方が相続税の控除額が大きいため手元に残る資産は(現在は)イギリスの方が多そうでした。為替レートや相続税法や総資産額によります。投資ポートフォリオは極力シンプルにして、口座をまとめておこうと思います。
いずれにしろ、私がしておきべくことは、自分名義の資産リストが明記された遺言の登録ですね。