昨日のStandard紙に、「ロンドンの家賃は過去最高額、5年前より月700ポンド(14万円)多く支払っている」という記事が載っていました。私が賃貸で暮らしていた十数年前でもすでに給料手取りの大部分が家賃でしたが、状況はさらに悪化しているようです。Rightmoveというオンライン不動産エージェントの調査結果です。
ロンドンの平均家賃は、コロナ禍のあった2020年には月2,011ポンドでしたが、今は2,712ポンド(約53万7千円)まで値上がりしています。上昇率はなんと35%です。ロンドン中心部の平均家賃は月3,191ポンドです。誰が払えるのか、と思いますよ。ロンドン以外でも44%の上昇率なので、郊外に引っ越してもそれほど生活が楽になるとも限りません。

ロンドン株式市場も先週は連日最高値を更新しましたが、家賃も毎年最高値を更新しています。ただ、上昇率自体は緩やかになってきていると報じられています。上昇が止まらない理由は、賃貸物件の供給が不足しているからです。税制が変わり、ここ数年、高金利も相まって不動産投資の妙味が無くなりました。でも、不動産投資家は徐々に戻ってきているようで、投資家向けの住宅ローンの件数は今年17%増加しています。それもあって、テナント候補による競争は昨年や一昨年に比べると落ち着いてきているそうです。
私たちが賃貸に出している2寝室のアパートは、テナント2人が1年半住んだところで、1人がパートナーと同居することになり退去を申し出てきました。残るテナントは引き続き居住することを希望し、自分の友達と一緒に住みたいと申請してきました。新テナントの信用照会をし、チェックアウトの手続きをし、新しい契約書を作成し、新テナントから敷金を受け取り、元の契約者に敷金を返金し、といった一連の流れを今ちょうどしているところです。もともと安い家賃をほとんど上げなかったので、賃貸市場ではかなりの掘り出し物物件です。新テナントは身分証明書の提出、契約書サイン、敷金と初月の家賃の支払いをすぐにしてくれました。今まで住んでくれた2人も、私が直接会って選んだだけあり、過去3組の中でも大当たりのテナントでした。
とはいえ、秋にはそのアパートを売りに出して、早ければ来年の春には売却を完了するという希望的プランを持っています。買い手が見つかるといいのですけれど。同じ建物の他のアパートがそこそこいい価格で売れたので、楽観的に考えています。