ビルダー不足

価格の上昇により若い世代が住宅を購入できないことが英国の社会問題になっています。労働党は住宅供給を増やすべく2029年までに150万戸の住宅建築を公約に掲げています。

ところが、資金や場所の確保以前に、そもそも建設労働者が足りないという根本的な問題があります。

レンガ積み、地面工事、大工工事で数万人の新規雇用が必要と言われています。技能不足、ビルダーの高齢化、ブレグジットで大工仕事に就く人が減少しているようです。

我が家はおととしと去年にフラットの改装をしましたが、大工やタイル貼りや配管工の予定が半年先まで埋まっていました。現在はさらに先になってしまっているようです。建築労働者は267万人だそうです。

新築住宅の建築には、レンガ職人、配管工、大工、左官屋、土木作業員、タイル職人、電気技師、屋根職人、エンジニアなど様々な専門職の人が必要ですが、これらすべてにおいて人材不足になっています。政府の目標達成には、到底足りないという試算です。若者がこれらの業種への就業を検討するにあたり、そもそもなじみやコネがなく、弟子を受け入れる側も、新人を訓練する費用も時間もありません。その結果、土木労働者の高齢化が進み、4分の1が50歳以上になっています。国の方針として、若者に肉体労働よりも進学を推奨してきたことも要因の一つのようです。これらの職人の平均賃金は高くても、なりたがる人がいません。

英国はブレグジット以前は東欧からの肉体労働者に頼りきりでした。我が家の屋根を直してくれたのもブルガリア人です。現在もロンドンの建設労働者の半数以上は海外出身で、ルーマニア、インド、ポーランドからの移民が多いそうです。先月政府は、建設技能実習生の受け入れを年間5000人増やすために予算を充てることを発表しました。

この計画は歓迎されましたが、それでも建築業界の試算では政府の目標は達成不可能とのことです。

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