(前回からの続き)さて、いくらでオファーをするかということですが、その家は同じエリアの他の家に比べて割高です。ただ、土曜日だけで8組の内覧があったことから、誰かがオファーする可能性は高いと言えます。修繕が必要な家はそのコストを勘案して売値より低いところでオファーしますが、この家は鍵をもらった日に引っ越せるほど状態が良いので、売値でオファーすることにしました。もちろん、不動産屋に他のバイヤーの出方をうかがいながらすることになります。
義妹のアドバイスは、「買いたいと思う家に出会えることはめったに無いのだから、そこで2千ポンドケチろうと思わないほうがいい」というものでした。確かに、1年も不動産探しをしていますが、買いたい家はなかなかなく、今回初めて「その家で生活する私たち」をイメージできる気がしました。
格安の家を購入して、住みながら改築するという選択肢もあります。この場合は購入金額にかかる住宅購入税(Stamp Duty)が低くて済みます。ただ、夫婦とも通勤ありのフルタイム勤務をしながら、各種業者に見積もりをもらって、毎日大工が家に出入りしてとなると、手間ヒマが面倒すぎるという難点があります。また、建築資材の供給逼迫により、改築は割高になっています。
一番高い金額のオファーが常に選ばれるというわけではなく、現金で購入できる人からのオファーは金額が多少低めでも確実なので受け入れられやすいです。私たちのように所有不動産が売約済みという人が2番めに強く、これから売りに出すという人は立場が相対的に弱いです。現金で不動産を買う人は購入者の26%だそうで、意外に多い印象です。この家のオーナーは引っ越したい家が見つかったそうなので、なるべく早く売約を取り付けたいようでした。
不動産屋によると、8組の内覧者のうち3組がオファーしたそうです(金額は不明)。私たちは現金で買う予定でしたが、諸費用を含めると足が出るかもしれず、少額の住宅ローンを一応申し込みました。まぁでもこれが受け入れられなかったら、あの物件に縁がなかったということなので、素直に諦めようと思っていました。
午後不動産屋から電話があり、3件のオファーのうち、私たち夫婦が選ばれたことを知りました。今考えると偶然が重なりました。内覧をキャンセルしようとした夫を説得して早めに到着したら、次の内覧予定者が来るのが遅れて先に見ることができました。内覧の時にオーナー自らが説明してくれたので、いろいろ質問したり、素敵なお家ですねと褒めて好印象を残せたと自負しています。遅れてきた次の購入希望者(50代女性2人組)は不動産屋が見せて回っていました。私たちはこの家に縁があったのだと思います。尚、英語で「縁がある」というのはIt was meant to be.といいます。そうなる運命だった、という意味ですね。
昨晩は、夫とグランリザーバのマルベックで乾杯し、ささやかなお祝いをしました。
私はこれから、どの資産を売って現金化するか、よく考えて必要な金額を用意します。隠し財産から少し放出する予定です。