ロンドンおよびイングランドの南西地区に水道を供給し下水処理をするのは、Thames Waterという水道会社です。この会社があきれるほどあらゆる点でお粗末なのです。イギリスの公共サービスの質の低さはよくジョークのネタにされますが、不祥事連発で当事者は全く笑えません。去年の記事に書きました。
英国の水道サービスは基本的にモノポリーで、その会社のサービスが好きでなくても他社に乗り換えることができません。地域で割り当てが決まっています。

我が家の水道代は数年前まで年間350ポンドだったのが、今年の請求書は700ポンド(13万3千円)に跳ね上がっていました。
テムズ・ウォーター社は巨額の負債を抱え、国有化が何度も検討されてきましたが、債権者が反対しています。漏水や汚水流出事件が過去何度かあり、インフラ設備も老朽化しているのですが、それに対応できていません。同社が民営化されたのは1989年で、民間による投資で設備や経営状況が改善されるという期待があったそうです。民営化時点では負債がなかったのに、現在は190億ポンド(36兆円!)の借金まみれです。それなのに投資をすべきところに資金が使われていないのです。以前オーストラリアの銀行が株主だった時に負債を急増させ、資金が株主への配当金などで吸い取られ、同銀行は株を手放しておさらばしたのです。
今回、30億ポンドの追加資金調達が法廷で認められましたが、想定利率は9.75%(闇金か!)で既存の債権者が反発しています。金利は誰が負担するのか?当然、上下水道の利用者です。テムズ・ウォーター社は、インフラ投資のために水道料金を今後5年でインフレに上乗せして53%増加させる必要があると主張しています。テムズウォーター社の株主は、年金基金や投資グループがメインです。
ちなみに、テムズウォーターの社長の報酬は年間230万ポンド(4.4億円)です。国有化するとなると、税金が多額使われることになるので悩ましいところです。夫はほかの水道会社の地域に引越す!と腹を立てています。